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【ドラマの見どころ!】 『まっすぐな男』、『君たちに明日はない』、『サラリーマン金太郎』ドラマで見る“ゼネコン”の今

 今回の【ドラマの見どころ!】は、 大きなビルや橋を建設する、日本が誇るゼネコン・建設業で働く若い男たちや、そこで働く人たちを「リストラ」する事を生業とする若い男のドラマ。民主党、小沢幹事長の土地購入問題に絡んで、にわかにクローズアップされるゼネコン・建設会社の今、バブルの頃とはだいぶ様子が違う様だが…。

 まずは、佐藤隆太主演『まっすぐな男』(フジテレビ系)。フロンティア建設という会社でマンション建設に携わる松嶋健一郎(佐藤)は、30才の熱血社員。偶然知り合った栗田鳴海(深田恭子)というフリーターの女性に振り回される毎日だ。立場の弱い鳴海に無理矢理関係を迫った建築家に“たんか”を切ったり、マンション建設に反対している住民を上手くなだめたり、まったくもって建設業の「汚い部分」に白砂をかける様なストーリー。まっすぐなのは結構だが、本当にこれやってしまったら真っ先クビになる事を念頭に置いて見た方がいい。日本の会社の現実はもっともっと汚い。健一郎に思いを寄せる町田佳乃に貫地谷しほり、女優志望の鳴海の友人に佐々木希、OL役でさくらなど、女優陣が華やか。

 次は、永井大が主演を務めて第2シーズンを迎えた『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日系)。
 元暴走族ヘッドで、今はヤマト建設の社員の矢島金太郎(永井大)は、亡き妻・明美の忘れ形見の竜太を、恋人で高級クラブ「ジャルダン」のママ・末永美鈴(井上和香)に預け、アフリカ勤務に旅立っていた。一年後に帰国した金太郎を待っていたのは、ヤマト建設の合併と、新たに就任した新社長・丸山(森本レオ)のボディーガード兼運転手という仕事。一見温厚な丸山の身辺にはなにやら物騒な出来事が次々に起こり…。
 あいかわらず、どこまでいっても“上司至上主義”の金太郎が、「社畜」の様に体を張って会社の為(上司の為)に尽くし続ける。この姿が、非正規雇用50%を超える今の時代にはズレまくっていて、あまり共感できない。どうせ体を張るのなら、入札を有利にする為のワイロとか、政治家の支援団体の土地取引とか、そういう部分で泥をかぶってみればいい。テレビ東京の人気時代劇「逃亡者 おりん」の青山倫子が扮するミステリアスな社員・京子の活躍が楽しみだ。

 最後が、NHK土曜ドラマ『君たちに明日はない』。リストラ請負会社に勤務する村上真介(坂口憲二)は、企業から依頼された社員を面接し、なんとか「希望退職」に追い込むプロ。成績も良く、社長の高橋(堺正章)に期待されている。第一話は建材メーカーの「森松ハウス」の社員たちを次々退社させていくが…。リーマン・ショックやJALの例を見ても明らかな様に、多額の人件費がかかっているのは会社の上層部であるのに、それの味方をして多額の利益を上げているリストラ会社を「正当化」するって、NHKまさかの失態!?。「実はあなたの業績は言うほど良くなかったんだよ」とか、「他にもっといい道があるから」とか、社員の首を切る事を納得させてしまうドラマの作りに疑問だ。
 回を追う事に音楽業界、百貨店と業種を変えていく筋立てらしいが、どうせなら日本社会の縮図でもある建設業界をじっくり攻めてほしかった。

 以上、私たちが生活する上で欠かせない建設業。しかし、多額のカネが流通するが上にブラックな部分も多い業界なのも事実。今回の3作は、「きれい事」を並べてばかりで闇を暴かず、いまいち切り込みが浅い。せめて、ドラマの上ぐらいはもっと、歯切れの良い展開にしてほしいものだ。(コアラみどり)

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