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書評「初夜 美母と高校生」鬼頭龍一著、フランス書院文庫

 全身が情欲で捏ねあげられたような肉体を持つ美菜子と、そこから生まれてしまった暁彦。そんな二人が迎える最初で最後の「初夜」の物語。

 《「いつもそうだったの?ママの…母さんのおっぱいのこと考えて、ここをこんなに大きくしちゃってたの?」「…うん、ごめんなさい」「どうして、暁彦が謝るの。謝らなくちゃいけないのは、私の方よ」
 美菜子は身体を覆いかぶせるようにして言って、そのまま、身体をずりさげていった。
 「もうこれで最後だから…母さんには、暁彦に、これくらいしかしてあげられないの。ごめんね、暁彦…」
 下半身に母の上体が沈むのが見えて、次の瞬間、剥けきって熱くなった肉頭が、それよりさらに熱い湯に浸される感触があった。
 「あっ、母さん…!」…》

 再婚前夜に母が捧げた「贈り物」。背徳感あふれる親子の情愛が丹念に描かれた力作に仕上がっている。(税別695円)

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