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永田町血風録 総選挙へ“党内抗争”の激しさ増す民主党

 民主党に、「鳩山─小沢」に対抗する“派中派”が誕生した。

 党代表選で鳩山由紀夫に敗れた岡田克也を支援してきた議員たちが、東京都内で会合を開いた。そこで、その「岡田を支える有志会」が、会合を定期的に開く方向でまとまったのだ。
 岡田は、小沢一郎前代表とは一線を画してきていて、党内では抵抗派とまでいわれていた。
 「小沢は西松建設事件での責任説明をいまだに果たしていないのに有志を集めて、しかも民主党最大の支援団体である日本労働組合総連合会(連合)にうまく取り入って、影響力を保持しようとしている」(反小沢派議員)
 もともと連合は、旧社会党の支援母体だった。会長の高木剛はいつの間にか小沢に媚(こ)び諂(へつら)って、民主党の“御用団体”になってしまっている。今回の鳩山と岡田の党首争いで戦う前から鳩山有利となったのも、連合が鳩山を後押ししたからといわれている。
 連合内部では、小沢の進退について代表続投と交代を求める声が交錯し、小沢との距離が広がった。だが、鳩山が小沢を総選挙のために筆頭代表代行にしたことで、連合と岡田との距離はさらに広がってしまった。

 そこで岡田を応援してきた若手議員が中心になって、岡田の党内での存在感、発言力を保持しようと行動に打って出たといえる。
 ある政治ジャーナリストが言うには、「民主党内で反小沢派の派中派が生まれることは時間の問題だった。主要メンバーには、党内では相当の実力者がそろっている。うかうかしていると、鳩山は足元を掬(すく)われかねない存在になる」そうだ。
 岡田のほか副代表の前原誠司、幹事長代理の野田佳彦、川端達夫ら党内グループのトップも、名を連ねている。それに、今では党内ですっかり存在感が薄れた代表代行の1人、菅直人もグループのメンバー60人を引き連れてこれに加わった。
 菅が「この岡田グループに加わっていないと、解散後、総選挙になった時、党内での身の置きどころがなくなる公算大」と読んでのことなのは、想像に難くない。さらには、党内での発言権を維持しようとの思惑も見え隠れする。
 しかし、鳩山はその程度のことは歯牙にもかけていない。まずは自らの足元を固めようと地方遊説に力を入れている。それも小沢流に近いやり方で…。
 「この派中派の出現が、かえって鳩山の闘志を掻き立てることになった。これまで以上に民主党はおもしろくなってくるよ」(前出・政治ジャーナリスト)
 総選挙は間近。各種の世論調査ではわずかな差とはいえ、民主党有利が伝えられる。“党内抗争”も含めて、その動きからますます目が離せなくなってきたということか…。(文中敬称略)

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