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レンジャーズ「ベンチ裏情報」 注目度ナンバー1はダルビッシュではなく、アノ男

 7月末の“トレード締め切り日”が近づくにつれ、上原浩治(37=テキサスレンジャーズ)の『与四球』の少なさがクローズアップされそうだ。
 「右脇腹の筋肉を痛めていた上原は14日にマイナー登板する予定で(10日時点)、故障個所への影響がなければ近いうちにメジャーに復帰すると思われますが、今のところ、具体的な日程に関しては球団から発表がありません」(現地特派記者の1人)
 この「球団発表がない」というのが、“怪しい”のだ。他球団は「上原のトレード期限直前での放出もあり得る」と見ており、その動向に注目している。

 一般論として、メジャーリーグでは7月末のトレード期限に『駆け込みトレード』が多く成立する。優勝圏内にいるチームは『弱点』を補うためにピンポイントでのトレード補強を行い、首位戦線から完全に脱落してしまったチームは、来季に向けてベテランや高年俸選手を放出し、有望な若手選手を獲得して来季に備えようとする。レンジャーズは『前者』の立場にあるものの、ペナントレースの折り返し地点ともいえる球宴休み目前に、何人かの主力投手がDL入り(故障者リスト)してしまった。
 前出の現地特派記者がレンジャーズの戦況をこう説明する。
 「先発のルイス(元広島)が18日にメジャー復帰する予定で、セットアッパーのオガンドは早ければ17日からチームに合流するそうです。マイナーでの調整登板の時期はほとんど変わらないのですが、上原に関してはメジャー復帰の時期は明らかにされていません」(同時点)

 結論から先に言えば、上原に関する評価はレンジャーズと他球団では大きく異なり、トレード放出される可能性も高い…。
 「試合の要所で上原を使わないのなら、トレードで獲得したい!」という球団は少なくないそうだ。
 前半戦の上原は20試合(21回3分の1)に登板し、防御率2.11。勝敗もセーブも付いていないが、与四球は僅か「2」。DL入りするまでは、WHIPは0.54で、全メジャーのリリーバー・ランキングで4位。『B/KK』ではリーグ2位という好成績をおさめていた。しかし、米国人ライターはこう言う。
 「レンジャーズのロン・ワシントン監督は上原をモッパー(敗戦処理)か、ミドルマン(6、7回に投げる中継ぎ)としか見ていません。20試合に登板したと言っても、『5点以上リード』した場面での登板が7試合、あとは同点か、ビハインド・ゲームでの登板ばかりで…」
 その理由は、ホームラン・リスクにある。昨年、上原はオリオールズから途中移籍してきて、プレーオフを含めると19イニングで8本の本塁打を献上している。今季の被弾もすでに3本、オープン戦でも4本塁打を浴びている(9イニング)。レンジャーズの本拠地は広域球場と見られているが、テキサスは高温乾燥地帯にあるため、「本塁打の出やすいヒッターズ・パーク」と位置づけられている。ワシントン監督からすれば、被弾のリスクが怖くて、「上原は僅差の場面で登板しにくいタイプ」(同)に映るのだと言う。

 「他球団の評価は違います。被弾の多さは環境が変われば解消されるとし、WHIPの数値の高さに注目しています。救援投手が不足しているチームからすれば、魅力的な投手です」(前出・米国人ライター)
 上原放出の可能性が高いのは、他球団の高評価だけが理由ではない。レンジャーズは通算159勝のベテラン、ロイ・オズウォルトを途中獲得している。現在はマイナーだが、「夏場以降に昇格させる予定で調整させている」とのことで、その場合、レンジャーズの先発投手5人のなかから1人がリリーバーにまわされる。そうなると、リリーバーに飽和状態となる。また、オズウォルトを昇格させるとき、誰か1人を抹消しなければならない。その標的は「首脳陣からの信頼が薄い上原」と見るべきではないだろうか。

 「今年1月、ブルージェイズとレンジャーズの間で上原のトレードがいったん成立したんです。しかし、上原が『ノー・トレード条項』を行使し、トロントに転居することを拒み、ご破算になりました。セットアッパーを探しているチーム? ヤンキース、レッドソックス、レイズ、ジャイアンツ。上原の古巣のオリオールズも人材難ですし、カージナルス、メッツ、パイレーツも食指をのばす可能性があります」(現地関係者)
 上原のトレード・バリューは高い。ブルージェイズへの移籍は拒んだとはいえ、「敗戦処理のような立場」から抜け出すには、環境を変える必要もある。同僚・ダルビッシュを蹴落として、後半戦の主役に躍り出るかもしれない。

※WHIPは1イニングあたりに許した走者(安打プラス四球)の数、『B/KK』は三振と四球の割合(奪三振数÷与四球)。メジャーリーグではリリーバーを評価する指標としても使われております。

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