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アメリカ発「小児性愛者」収容所、子どもを愛することは罪か?

 性犯罪の再犯率の高さが他の犯罪の場合と比べて高いかどうかは現在でも議論の対象だが、その犯罪の性格上、再犯が問題になりやすい。再犯者が小児性愛者だった場合は、特に。

 しかし、いくら性犯罪者が怖ろしいとは言え、刑期を終えた者を拘束するわけにも、強制的に去勢するわけにもいかない。だから一般市民は自由権と安全の間で苦悩するわけだが、さすがにアメリカは日本よりもとんがっている。

 例えば、94年にニュージャージーで施行されたメガン法は、性犯罪の前科がある者が引っ越してくる場合、周辺住民にその情報が知らされるというものだ。今では多くの州が同様の法律を採用している。またカルフォルニア州では、さらにラディカルな措置が試みられている。刑期を終えた未成年強姦魔や小児猥褻犯を社会から隔離しておくための刑務所でもないシャバでもない施設をつくってしまったのだ。

■小児性愛者強制収容所

 施設は、精神病院の体裁をとっている。だが、入院は任意ではなく強制だ。たしかに病的な性犯罪傾向が治療可能であるなら治療するに越したことはないという人もいるだろう。しかし、導入から10年、数百人の収容者の内、治療が完了して病院を出たものは13人だけだという。

 小児性愛は異性愛、同性愛、両性愛と同じ、生得のセクシャリティ(性的指向)だという説もあり、そうであったら病気ではないので、治療もできない。実際、その病院のセラピストたちは小児性愛は全治不可能だと口を揃えて言うらしい。

 つまりは病院とは建前で、実際は市民の安心のため、未成年者を襲った性犯罪者を隔離しておく施設であるというが本音のところなのだ。だから収容されている元受刑者たちは、おおよそ病院とは思えない快適な設備と「自由」が与えられる。床屋、喫茶店、テニスコート、図書館が完備され、アダルトDVDの視聴や、収容者同士のセックスもありなのだ
(「ペドフィリア収容所 小児性虐待者は治せるか 米精神病院レポート」 http://hisamichi58.blogspot.com/2010/09/blog-post.html 参照)

■セクシャリティは犯罪ではない

 市民社会が安全のため、性犯罪者の隔離を希望する心情はよく理解できる。しかし何が治療可能で、何が治療不可能かは、はっきりさせるべきだろう。もし、その犯罪傾向ではなく、小児性愛自体を治療すべきだと言うことになれば、児童に手を出さず一生を終える無罪の小児性愛者の自由さえ奪うことになりかねない。

 その昔、今よりもずっと過酷で不当な特定のセクシャリティに対する差別が横行していた。アメリカでは同性愛行為が犯罪だったし、ドイツでは同性愛者に強制的にロボトミー手術を施していた例もあったという。司法や医療を隠れ蓑にした差別など珍しいことではない。セクシャリティの絡む問題には、慎重になりすぎることなどないのだ。

 今の日本でも特定のセクシャリティへの差別が立法に結びつく可能性がないとは言い切れない。「非実在青少年規制問題」が起こった時、主に「表現の自由問題」として事は争われた。しかし、被害者のいない2次元ポルノを規制しようという規制推進派の強いモチベーションは、正直謎だ。だが、推進派の本当のモチベーションが、「ロリコン」への差別感情だったとしたら?

 性犯罪はショッキングな事件だ。そのため感情的な判断に流されやすいが、成人を対象にする異性愛者にだって悪どい性犯罪者はいくらでもいる。個々のセクシャリティと、その行為の犯罪性は、はっきりと峻別しなければならない。(ikoishy)

【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/

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