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“現代の阿部定事件”と思われた局部切断事件は意外な結末で幕!

 さる1月16日、東京都昭島市福島町2丁目のアパートの一室で、独身で一人暮らしのタクシー運転手・矢口行さん(49)が、死亡していた事件は衝撃を与えた。男性は首、胸、腹、下腹部の4カ所に文化包丁による傷があり、局部は切り取られて、ベッド付近の床に落ちていたからだ。あまりにもむごい死に方は、“現代の阿部定事件”と思われた。

 阿部定事件とは36年(昭和11年)5月18日に、仲居であった阿部定(当時30)が、東京市(現東京都)荒川区尾久の待合茶屋で、性交中に愛人の男性・石田吉蔵さん(当時42)を殺害し、局部を切断した事件で、まさにその再現かともいわれていたのだ。

 当初はこの男性が交際していた40代とみられる女性と、大ゲンカしている声や、女性が物を壊す音を近所の住民が度々聞いており、他殺説も出ていた。ところが、男性の遺体には腕に注射痕があり、覚せい剤反応が出たことで、自殺、他殺の両面で捜査が進められていた。

 その結果、警視庁捜査1課などは26日までに、自殺と断定した。同課によると、男性は10日午後2〜10時に死亡したとみられるという。第三者がアパートに入った形跡がなく、体の傷も自分で付けられる箇所ばかりで、抵抗した際にできる防御創もなかったことから、覚せい剤を使った上で、自殺したものと判断されたもよう。男性は周囲に「死ぬ時は腹を切って死ななきゃいけない」と語っていたという。

 覚せい剤中毒のひとつの特徴として自傷癖がある。脳の中枢神経が冒され、痛覚などの感覚も麻痺するため、痛みも感じなくなるという。とはいえ、いくらなんでも、自身の局部を自ら切断するとは狂気の沙汰。薬物で錯乱したのであろうが、このような死に方はさすがにしたくない。改めて、覚せい剤の恐ろしさを痛感させられた事件だった。
(蔵元英二)

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