大手広告代理店の電通の女性新入社員が過労自殺したことにより明らかになった、違法残業問題。芸能界でも、マネージャーたちの過酷な労働条件の改善を見直すため、労働基準監督署が大手事務所を中心に指導に入っていた。
「7月には公正取引委員会が大手事務所に聞き取り調査を行い、タレントとの契約内容だけではなく、マネージャーの労働条件の見直しも迫った。芸能事務所のマネージャーと言えば、365日タレントにつくのが当たり前。しかし、電通の問題で、その常識が通らなくなったんです」(芸能記者)
創立100年以上の歴史を持つ吉本興業もご多分に漏れずで、いち早く残業ゼロに着手した。
「それまで休みが取れない状態が続いていましたが、最近は強制的に休ませている。たとえタレントが生放送中でも、時間が来ると代わりのマネージャーが入り帰宅させています。そのため多くの社員を新たに採用する必要があり、莫大な費用もかかっている」(吉本興業関係者)
他の大手事務所も同じく残業ゼロ運動に着手しているが、そんな金銭的な問題もあり吉本興業のようにスムーズに進んでいないというのが現状のようだ。
一方、吉本興業では労働条件改善に加え、2025年の大阪万博誘致やカジノ開業に向けた動きも活発化している。
「昨今、お笑いが東京中心になり、このままでは大阪のお笑いが枯渇してしまうという危惧から“オモロイ大阪”の復権を目指し動き始めているんです」(同)
吉本興業が中心となり、大阪にエンタテイメントパークを開設。その一環として、すでに9月25日には大阪駅前の西梅田スクエアに『よしもと西梅田劇場』を開館した。
「年内には、大阪城公園内に大、中、小3つの劇場もオープンさせる。そうなれば、東京のテレビ局は制約が多すぎてやりづらい、大阪に戻りたい、という芸人たちの活動の場も広がります。そこから、大阪のお笑いが復活しますよ」(同)
10月〜放送のNHK朝ドラは吉本興業の創業者・吉本せいがモデル! 初回の視聴率も「ひよっこ」を超えた。これから“オモロイ大阪”がよみがえる予感。吉本の“本気”に期待したい。