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マイケル追悼式の裏でゼニゲバ闘争

 米国の世界的歌手マイケル・ジャクソンさん(享年50)の追悼式が7日(日本時間8日未明)、ロサンゼルスの屋内施設「ステープルズセンター」で行われ、遺族や交友があった著名人、ファンら約2万人が「キング・オブ・ポップ(ポップの帝王)」に別れを告げた。参列者は全米のオールスターのような顔ぶれで、主催者によると世界で10億人がテレビ視聴した計算という。しかしその裏では、遺族らによる骨肉の“ゼニゲバ闘争”が心配されている。

 世界中が見守る中での追悼式となった。共同通信によると、マイケルさんの遺体は、深紅の花がたむけられた金色のひつぎに納められ、会場の舞台前に安置された。マイケルさんの往年の映像が次々とスクリーンに映し出される中、マライア・キャリーさんら生前親交があった歌手や著名人が追悼の歌やメッセージをスーパースターにささげた。
 歌手のスティービー・ワンダーさんは「この瞬間が来るのを自分が生きているうちに見たくなかった」と悲しみを吐露。米プロバスケットボールNBAの元黒人スター選手、マジック・ジョンソンさんは「マイケルは多くの黒人たちのためのドアを開いた」とその功績をたたえた。
 追悼式に先立ち、ロサンゼルス近郊の墓地ではマイケルさんの遺族らによるセレモニーが行われた。

 一方、追悼式のウラ側ではナマ臭い話が飛び交っている。遺族と前妻デビー・ローさん(50)のあいだでは、マイケルさんとの子供1男1女をめぐって親権・養育権の争奪戦がぼっ発寸前。マイケルさんが2002年7月7日に書いたとされる遺言書の中で、ローさんを相続人から明確に除外したほか、不仲の父親ジョセフさんにもビタ一文渡さない意思を示したことがここにきてくすぶっている。
 親権争いといえばまだ聞こえはいいが、その向こう側には子供が受け取る遺産目当ての骨肉の争いが透けて見える。
 遺言書に添付された文書によると、遺産総額は5億ドル(約482億円)以上。そのすべてが財団「マイケル・ジャクソン・ファミリー・トラスト」に託され、取り分は母親キャサリンさんと子供3人でそれぞれ4割。残りは児童基金などに寄付される見込みという。
 マイケルさんはわざわざ「遺言書に記載されていない人物は意図的にはずしている。デビー(ローさん)は意図的に除外している」と明記しており、遺言書に名前のなかったジョセフさんやローさんにしてみれば、親権獲得だけがカネにたどりつく唯一の手段なのである。
 当初ローさんはメディアの取材に「すでに慰謝料850万ドルを受け取っている」などと話し、いまさら親権を主張するつもりはないという姿勢がはっきりしていた。ところが、いまやローさんの弁護士が出てきて「親権を求めるとは決めていない」と法廷闘争をチラつかせるようになった。
 法曹界関係者は「訴訟社会の米国らしい弁護戦略といえる。遺族とローさんの激突を喜ぶのはマスコミだけ。ドロ沼の法廷闘争に入ればお互いにイメージを悪くするだけだから、水面下で“それなりの金額”で手を打とうというシグナルだろう」と指摘する。
 しかし、水面下で手を打とうにも“ゼニゲバ闘争”を過熱させそうな火ダネが続出。マイケルさん急死後、世界各国でCD、アルバムが爆発的売れ行きをみせているほか、未発表曲が複数あることが分かった。さらに死の2日前に撮影された英ロンドン公演リハーサルビデオの存在が明らかになり、ファンが飛び付くことは間違いないという。今後、これら収益がマイケル財団にジャブジャブ入ってくることになる。
 この日の追悼式であらためて人気のすごさを示したマイケルさん。13日に予定されているロサンゼルス郡地裁の親権に関する審理の行方が注目される。

◎無料チケットが29万円に、日本でもCDの注文殺到
 マイケルさん人気は衰えるところを知らない。追悼式に出席できる無料チケットにはネット上で3000ドル(約29万円)の値がついたほど。いまも世界各国のCDショップでは「追悼コーナー」が継続され、臨時売上アップに貢献している。
 音楽情報会社オリコンによると、日本国内だけみてもベスト盤「キング・オブ・ポップ」は最新アルバムチャート(13日付)で4位にランクイン。週間売り上げは約4万枚を記録した。DVD総合ランキングにもマイケルさんの2作品がトップテン入り。一時期は借金苦も伝えられたマイケルさんだが、莫大な借金を帳消しにして余りある遺産は日増しに増えている。
 米ニールセン・サウンドスキャンの最新の調べ(1日)では、6月25日に急死してから約10日間で、全米ではアルバム売り上げは42万枚をオーバー。音楽配信サイトなどからデジタル携帯プレーヤーなどにダウンロードされた楽曲は230万に達している。
 公演が幻に終わった英ロンドンでは、マイケルさんと親しいアーティストらによる追悼公演開催が検討されている。

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