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「隠し球」はいない!? 本番直前2カ月前 12球団ドラフト情報 東京ヤクルト編

 将来性を見据えたドラフト指名になりそうだ。高校生と大学・社会人を分離した3年間を含め、05年以降に1位指名した高校生投手が主力級の働きを見せている。村中恭兵(05年)、増渕竜義(06年)、(佐藤)由規(07年)、赤川克紀(08年)…。昨年は早々と斎藤佑樹(現日本ハム)の1位入札を表明し、抽選に外れた後の2度目の入札でも塩見貴洋(現楽天)を選んだ。3度目で“将来性”に切り換え、高校生内野手・山田哲人を指名した。昨年は「即戦力投手が欲しい。抽選に外れた場合は有望高校生野手に切り換える」という方針だった。今年は違う。05年以降に指名した高校生投手が順調に成長し、年齢的にもまだ「伸びしろ」もあるので、今年は有望野手の上位指名が優先される。

 新聞紙上でも紹介されているが、8月29日に開かれたスカウト会議では「候補者リストは50人程度に絞り込んだ」という。その際、「1位候補はまだ決まっていない」としつつも、5人程度に絞り込んだことを明かしている。東洋大・藤岡貴裕投手、明治大学・野村祐輔投手、東海大甲府・高橋周平の3人がリストアップされたそうだが、「あと2人」は分からない。渡辺進編成部長が高橋内野手を「ピカイチ、外れ1位ではなく、1位で消える逸材!」(7月10日)と絶賛していたのが思い出される。
 また、本拠地・神宮球場は大学野球の聖地でもあり、「慶応大学のスラッガー・伊藤隼太外野手も無視できない」と聞いている。青木宣親がメジャー挑戦を視野に入れている以上、伊藤外野手に注目するのは当然だろう。
 4人目の候補者が伊藤外野手だとしたら、5人目は武田翔太投手(宮崎日大高=右投右打)か、土生翔平外野手(早稲田大)ではないだろうか。土生外野手は『主将・4番』だ。チームを牽引できる逸材は数少ない。伊藤外野手には阪神も熱視線を送っており、土生外野手は広島県・広陵高卒である。渡辺編成部長が「好野手は少ない。競合になる」ともこぼしていたのは、そのためだろう。

 増渕の弟・雅也投手は鷲宮高の左腕エース。今夏の埼玉県大会は5回戦で敗れたが、「(佐藤兄弟に次いで)2組目の兄弟選手も…」とヤクルト関係者は“リップサービス”していた。岩手・盛岡中央の大向涼介投手も高く評価していた。同投手に関しては「打者」として評価する球団も多かったが、ヤクルトは「徒手」として見ているそうだ。
 ただ、小川淳司監督は「投手の補強を求めている」とも聞いている。

 有望高校生についてはプロ志願届の提出期限が過ぎるまで、各球団とも慎重にならざるを得ない。08年11月、ドラフト本番の直前で進学希望を一変した大田泰示(巨人)のような例もあれば、有名大学のスポーツ入学が可能になった瞬間、プロ志望のコメントを撤回した球児もいないわけではない。ヤクルトは1位候補を決めかねている。それは小川監督との意見のすり合わせが終わっていないからだが、高橋内野手で勝負し、抽選に外れた場合も高校生の指名が念頭にあるからではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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