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「棚橋さんは強かった」新日本ラストマッチのKUSHIDA、世界進出へ手応えある敗戦!

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KUSHIDA

新日本プロレス
『Road to THE NEW BEGINNING』
▽29日 東京・後楽園ホール 観衆 1,732人(札止め)
▼スペシャルシングルマッチ(60分1本勝負)
○棚橋弘至(24分34秒 テキサスクローバーホールド)KUSHIDA●

 今月末で新日本プロレスと契約満了し、円満退団するKUSHIDAが29日、後楽園ホールで新日本ラストマッチを行った。対戦相手はIWGPヘビー級王者の棚橋弘至。棚橋はKUSHIDAがSMASHに所属していた時、新日本に師匠のTAJIRIとともに参戦した際に共闘、所属になってからは巡業バスが隣だった。両者はこれが初対決となる。

 大KUSHIDAコールの中、試合開始のゴングが鳴る。ビッグマッチ仕様の髪型で現れた棚橋は、新日本での8年間を受け止めるべく、ジュニアヘビー級のKUSHIDAに対して、ヘビー級選手相手と変わらぬ厳しい攻撃を繰り出した。観客からは思わずブーイング。KUSHIDAは棚橋のウィークポイントの一つである腕に狙いを定め、蹴りや関節技で棚橋を苦しめ何とか試合の主導権を握ろうとするが、最後は棚橋が渾身のテキサスクローバーホールドを決めて、KUSHIDAはたまらずギブアップ。パワーでねじ伏せた棚橋だったが、IWGPヘビー級王者を相手に24分34秒まで追い詰めたKUSHIDAにとっては自信が持てる試合になったことだろう。

 ダメージの回復を待って、棚橋と少しだけ会話を交わすとリングに上がり、マイクを持ったKUSHIDAは「棚橋さん、最後の最後までプロレスラーとして最高にかっこいい姿、勉強させてもらいました」と切り出すと、「この8年間の出来事、新日本のレスラーとの闘い、巡業バスのこと、いろんな風景、そして今日のお客さん、未来永劫絶対に忘れません。この最高のお守りとして旅してきます。今まで本当にありがとうございました。行ってきます」とファンに挨拶。大きな歓声と拍手が送られる中、観客とタッチしながら場内を一周。その中にはKUSHIDAに新日本のジュニアを託した実況席の獣神サンダー・ライガー(テレビ解説)の姿もあった。

 インタビューブースでKUSHIDAは「棚橋弘至から、IWGPヘビー級チャンピオンから、3カウント、ギブアップを奪って、追ってくる大人たちを振り切って、全速力で海外に逃げようと思っていましたんですけど、棚橋さんは強かったです。今まで戦ったレスラーの中で一番強かったです。何も通用しなかったっす。空っぽです」と棚橋の強さに脱帽。

 ボードを掲げて自身を送り出してくれたファンについては「最初に入団するときに『お客さんとも勝負していきたい』と言いました。そういうレスラーでありたいと最初に言った。今日の光景を見て、8年間、大変なこともうれしいことも、なんか全てチャラになった」と改めて感謝の気持ちを述べ、続けて選手、スタッフ、社員、木谷高明オーナーに対して感謝の言葉を口にした。

 数々の激闘を繰り広げた後楽園ホールについては「始まりと終わりが後楽園ホールっていうのは、きっと何かあるんでしょうね。それはやっぱりプロレスの聖地だからだと思います」と感慨深げ。最後は集まった報道陣に感謝の意を伝えると、報道陣から拍手が送られ控室へ入っていった。

 KUSHIDAの今後については、噂されている世界最大のプロレス団体WWEとの契約が決定的。早ければ2月にも渡米するものと思われる。ファームブランドNXTからのスタートが濃厚だが、軽量級ブランド205 Liveなどでの活躍が期待される。新日本時代の同僚、戦友が多々いるだけに、世界のスーパースターとして新日本ジュニアの思いを背負って飛躍してもらいたい。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄

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