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クライマックスシリーズ舞台裏 筒香がDeNAナインを一喝していた!

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筒香嘉智

 DeNAベイスターズが下克上に成功した。セ・リーグ『クライマックスシリーズ ファイナルステージ』は、ペナントレース覇者・広島が先取したが、その後はベイスターズが4連勝。今永、濱口の先発投手を中継ぎ登板させるなど、勝利した4試合に「のべ23投手」を注ぎ込んだラミレス采配も光った。しかし、チーム関係者は「勝因は、初戦の敗北」にあったと言う。
「筒香(嘉智=25)が試合後に選手全員を集めたんです」

 18日の初戦、両陣営は雨雲に覆われた空を見上げていた。一向に止む気配はない。通常のペナントレースだったら、中止になっていたはずである。雨足が強まった5回裏、広島打線が集中打を放ち、3点を挙げた。その直後、さらに雨足が激しくなり、36分間の中断を経て、「降雨コールドゲーム」が宣告された。

「DeNAナインは、コールドゲームの宣告に納得がいかないとし、怒っていました。球団スタッフでさえ、控え室に入るのを躊躇ったほど罵声が飛び交っていました」(前出・チーム関係者)

 チームキャプテンの筒香が立ち上がり、選手全員を集めさせた。そして、コールドゲームを宣告した審判団を非難する言動を叱り、「この怒りは試合にぶつけるべきだ」と一喝した。

 その光景を遠巻きに見ていたラミレス監督は勝利を確信したという。これが、CS・ファーストステージから打撃不振だった筒香を4番で使い続けた理由であり、先発陣も中継ぎでの緊急登板も厭わなかった。

 第2戦、第3戦とチームは連勝した。その後は2日間続けて雨天中止となった。チームは調子を取り戻したが、喝を入れた筒香だけは3試合でヒット1本と出遅れてしまった。その雨天中止の間、“ネタ不足”を補うためとはいえ、取材陣の容赦ない質問も浴びせられた。
「今さら、何日空いたところで関係ない」

 そう言い捨てたが、CSファーストステージ4試合でも1安打とふるわなかった。広島との決戦でも、すでに4三振を喫している。仮に、ファイナルステージを落としていたら、「4番の力量差」を敗因に挙げられていただろう。筒香を4番から外さなかったラミレス監督の忍耐力も相当なものである。

「前任の中畑監督の時代からそうでしたが、筒香を中心としたチームを作ると決めていました」(プロ野球解説者)

 一貫した方針、そして、チーム作りが成功したようだ。その期待に応えた筒香もさすがである。

 DeNAスカウトがドラフト候補を見る際、重要視するポイントがあるという。それは「フォア・ザ・チーム」の姿勢で、キャプテンシーを持った選手に関しては、とくに時間を費やして見ていくそうだ。他球団も「フォア・ザ・チーム」の姿勢は、プラス査定しているが、ベイスターズはまだ若い。労組・日本プロ野球選手会が発表する年俸調査結果を見ても分かる通り、ベイスターズの日本人選手平均年俸は、約2600万円で12球団ワースト。最下位は6年連続であり、発展途上の選手ばかりなのだ。

「筒香の次の世代を託せるキャプテンタイプの選手を、DeNAスカウトは探しています。戦力的に見れば、シーズン途中で一軍クラスの捕手をトレード放出しているので、高校生捕手を獲って育てるようですね。早実の清宮幸太郎、履正社の安田尚憲にも熱視線を送っていますが、DeNAがこの2人の打撃センス以上に、チームの牽引役が務まる点を評価しています」(球界関係者)

 先の日本人選手平均年俸だが、12球団トップは日本シリーズの対戦相手でもある福岡ソフトバンクホークスだ。7013万円で2年連続の1位。同調査は1980年から始まったが、ホークスは史上初の7000万円超えも果たしている。巨大戦力、成熟したチームにベイスターズはどう挑むのか。筒香が打つとチームは勢いづく。平均年俸のワーストがトップを食う下克上も見せてくれるのだろうか。

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