同研究班は、全国の30代から50代の男女合わせて7000人を24年間追跡調査。魚介類を食べる量が多い順から四つのグループに分類し、脳卒中で死亡するリスクを調べた。結果、1日の摂取量がサンマに換算して1匹と最も多かったグループは、その4分の1の最も少なかったグループに比べ、脳卒中による死亡のリスクが41%低くなったという。また、心臓病など循環器の病気で死亡する率も20%低くなっていた。
健康食品のCMでお馴染みだが、魚介類には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)など、動脈硬化を抑える効果がある物質が多く含まれている。
厚生労働省では、「(必須脂肪酸の)DHAおよびEPAの目標摂取量を1日1グラム以上が望ましい」と発表しており、確かに魚が体に良いことはわかる。しかし、1ミリ以上という量を魚に置き換えると、クロマグロの刺身が約9人前以上になる。いくら魚好きでも、これだけのマグロを毎日食べ続けるのは至難の業だ。
そのため、健康不安を抱える中高年の中には、サプリメントを服用している人も少なくないわけだが、世田谷井上病院の井上毅一理事長が言う。
「今回のような研究結果が出ると、“私は魚を食べているから大丈夫”と過信する人が出ます。最近の日本人は青魚を食べなくなったので、肉を多食するよりはいいかもしれない。しかし、DHA、EPAを摂取しているから安心と考えるのは危険。大切なのは、バランスよく食べることなのす」
あくまで参考までにということだ。