search
とじる
トップ > スポーツ > キャンプ・オープン戦中間報告(9)「埼玉西武」 豪腕ルーキー・大石は「条件付き」で先発枠入り?

キャンプ・オープン戦中間報告(9)「埼玉西武」 豪腕ルーキー・大石は「条件付き」で先発枠入り?

 注目の新人・大石達也(22)が先発枠を争っている。学生時代は主に救援で活躍してきたこと、そして、渡辺久信監督(45)以下首脳陣が「それでも先発で育てたい」としているのは改めて説明するまでもないだろう。去る3月2日、その大石が先発デビューした(対巨人戦)。最速144キロ、2回被安打2、無失点。数字上では「合格」かもしれないが、昨秋ドラフト会議で6球団が入札した本領は見せてくれなかった。

 早稲田大学時代、大石の持ち球にはチェンジアップ(緩いボール)も数えられていた。「緩急の配球=先発投手の必須事項」とも言われている。チェンジアップが投げられるのに、『緩急』に疑問符が付けられるのは、その精度がプロのレベルに到達していないからだろう。

 今季の西武・先発ローテーション候補は、涌井秀章(24=14勝)、岸孝之(26=10勝)、帆足和幸(31=11勝)、ベテラン・石井一久(37=9勝)の4人。残り「2議席」を、4年の平野将光(27=4勝)、サブマリンで26歳のオールドルーキー・牧田和久、トレード加入の坂元弥太郎(28)、そして、大石が争う図式になった。当落を予想するならば、まず、牧田は面白い。千葉ロッテの渡辺俊介同様、地面をかするような低い位置からボールが放たれており、ブルペンを見学した限りでは「超の付くほど遅〜いカーブ」と、120キロ台のカーブを使い分けていた。渡辺俊介とも異なる配球構成は、面白い。昨季プロ初完封をマークするなど、成長著しい平野の落選も考えにくい。左投手不足のチーム事情からして、帆足も同様だ。ライバルたちの仕上がり具合からして、大石は当確ラインのギリギリにいると思われる。また、事実上の一軍を意味する『キャンプA班』に組み込まれた新人投手は、大石と牧田の2人だけ。大石を先発で使うとすれば、救援の経験も持つ坂元がセットアッパーにまわされるだろう。しかし、救援陣も「再編」が必要と思われる。昨季、長田、藤田、小野寺、シコースキー、岡本篤たちが頑張ったが、ペナント終盤戦、全員が息切れしてしまった。彼らは順調に仕上がっていたが、大雑把な分け方をすれば、この5人は全て『右のオーバーハンド』だ。坂元も右のオーバーハンドである。07〜08年にクローザーを務めた左腕・グラマンの復活が待たれる。本人も「今年も駄目ならクビ」の危機意識は持っているはずだが、キャンプは慎重に、ゆっくり調整していた。今季も、「左のリリーバーが1人もいない」状態で臨む試合があるかもしれない。

 大石が救援にまわれば、往年の大魔神・佐々木のような絶対的な守護神になる。「ストッパー・大石」を推す声が消えないのは、こうしたブルペン陣の不安要素が解消されないからだろう。
 
 しかし、今季は「先発・大石」で行くべきかもしれない。投手出身のプロ野球解説者によれば、大石はまだ身体が出来ていないという。確かに、ランニングなどではすぐに辛そうな表情を見せていた。つまり、大石にはまだまだ「伸びしろ」があるわけだ。身体を絞り、筋肉が付いてくれば、もっと凄いボールを投げられるはずだ。先発投手の利点は、シーズン中、一定の登板間隔のなかで調整ができること。対照的にリリーバーは毎日肩を作らなければならない。おそらく、首脳陣も大石が先発する試合は「これ以上の球数は投げさせない」といった制限も設けるだろう。今シーズンは実戦経験を積みながら、身体を作っていけばいいのではないだろうか。

 2年目の菊池雄星(19)は「一軍デビューできるかどうか」だろう。「育てる」という意味では大石と同じだが、投球フォームがまだ固まっていない。甲子園を席巻したときと投げ方が違う。そりゃ、そうだろう。一昨年の夏の甲子園で背筋を痛め、プロに入ってすぐに肩痛…。1年半近く、ピッチングらしいピッチングはしていないのである。焦らず、じっくり、二軍で身体を作らせるべきだ。昨秋11月まで全力投球していた大卒と、故障を経験した19歳の差は歴然としていた。プロ野球人生はこれからである。

 もう1つのチーム課題だった『新・正捕手』だが、炭谷銀仁朗(23=登録名「銀仁朗」)の肩の強さはピカイチである。エース・涌井とも息が合っており、正捕手は銀仁朗で決まりだろう。ただ、昨季、91試合に出場した上本達之(30)も捨てがたい。突出した特徴はないが、スローイングや打球を処理する動作など、全てのプレーにおいて堅実である。こういうプレーはゲームに出て初めて光るのだが…。

 野手では、一発のある秋山翔吾(22)に注目が集まっているが、主に二塁の守備練習に入っていた林遼(22)もいい。小柄だが、打球が速い。中村剛也、中島裕之、片岡易之らのいる内野陣に割って入るのは並大抵ではないが、『右の代打』も務まるのではないだろうか。20歳の新星・浅村栄斗は『ポスト中島』の最有力だが、この林もやってくれそうな気がする。秋山、林。西武は本当に良い新人を見つけてきたものである。(スポーツライター・飯山満)

関連記事


スポーツ→

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ