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反体制のシンガー 尾崎豊 キャンパスノートのCMに起用された理由

 大手文房具メーカーKOKUYOが、かつて一世を風靡したシンガーソングライターの故・尾崎豊さんをCMに起用した、新しいキャンパスノートを発売する事を20日、明らかにした。

 新しいCMに、昔の画像や既に引退した人などを起用する事は比較的よくある事。しかし、ここで思い至るのが尾崎豊の作風。デビュー曲である「15の夜」や「卒業」などの代表曲にあるように、彼の曲は社会、それも学校に対する反抗的・反体制的な歌がほとんど。『盗んだバイクで走り出す』や『夜の校舎 窓ガラス壊してまわった』などの、過去の自身の不良行為を下敷きにした強烈なメッセージ性を伴う歌詞は当時の多くの若者に熱狂的に支持され、新聞などで「10代の教祖」と呼ばれる程にカリスマ的な人気を持っていた。しかし、それ故に教育現場、特に彼が主題に取り上げる中高生の教育現場では不良行為を助長するとして長らくタブー視されてきたのも事実。そんな彼が、よりによって学校でよく使 われるキャンパスノートのCMに! という事で、ファンからは喜びの声が上がると同時に「これは学校を批判した尾崎に対する皮肉か?」と疑問視する声も上がっていた。

 しかし同日20日の昼に尾崎さんに関するまた別のニュースが報じられた。それは、彼が亡くなる直前までに書きためた大量の創作ノートが見つかった、というもの。60冊にものぼるノートは彼の遺族やほとんどの曲でプロデューサーを務めた須藤晃さんらが保管していたもので、10代のデビュー前から1992年、彼が26歳の若さで亡くなる直前までの10年間にわたる。苦悩する自分の気持ちを綴っていたり、中にはヒット曲の歌詞に近い詩があり、創作の過程も伺える内容となっている。そして、彼が自分の感情をぶつけていたものこそがKOKUYOのキャンパスノートだったのだ。

 これらのノートを保管していた須藤氏はメディアに対し「自分に向き合い、歌を作り続けた尾崎の生き方を、今の若い世代にも知ってもらいたい」として、今後各媒体でノートの内容を発表すると告げた。26日より放送されるKOKUYOのCMはその第一弾とも言うべき内容で、肉声や未発表音源と共に直筆ノートの中身も放送されるという。他にも、KOKUYOのホームページでは5月15日までノートの中身を一部公開して掲載していたり、3月22日発売の小説新潮4月号でも96ページにわたる特集が組まれ、また4月には新潮社から単行本も発売されるという。

 当時は反体制的な歌詞が疑問視されたものの、今では青少年の悩みを鮮烈に歌い上げたとして高校倫理の教科書に掲載されるまでになった尾崎豊さん。没後20年の節目の年に日の目を見る事となった尾崎豊さんの創作の原石は、どのような輝きを見せてくれるのだろうか。

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