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2016年アニメ業界10大ニュースを独断と偏見で選出!

 今年はリオ五輪、広島カープセリーグ優勝など、なにかとスポーツが注目される年だった。また、芸能界ではSMAP解散やゲス不倫が大きな話題に。そんな今年、アニメ関連ではどんな出来事が起きたのだろうか? 2016年のアニメに関する事柄をここではランキング形式で勝手に紹介する。

10位 アニメ『くまみこ』騒動

 2016年4月から6月までアニメが放送された同作は、最終回の数回前あたりから、原作と違う展開が顕著になりだし、最終回では、視聴者から大不評を買い大炎上。公式サイトが「原作・月刊コミックフラッパー編集部の正式な許諾を得て、監督・脚本はじめアニメーション制作スタッフの総意と製作委員会合意の下、しかるべきプロセスを踏まえて制作されていることをご報告致します」とコメント発表する事態にまで発展した。原作と展開が違う作品などそれこそ沢山あるが、原作未見でもわかるほど、キャラの性格が大きく変わっていたのがかなり問題だった。似たような事件だった『みなみけ〜おかわり〜』の騒動を思い出すな…。

9位 『おそ松さん』昨年に引き続き快進撃

 もう忘れているかもしれないが、『おそ松さん』は去年10月から今年の3月まで放送されていたアニメだ。一応今年に含まれる。放送終了後もSNSなどで女性アニメファンを中心に話題となっていた。また、友達同士お揃いの恰好をするおそ松さんコーデが大流行。様々な企業とのコラボもして、JRA(日本中央競馬会)とのコラボアニメまで制作された。

8位 『テラフォーマーズ』リベンジ出来ず

 原作の絶大な人気を背景に2014年9月から12月まで、アニメ放送された『テラフォーマーズ』。しかし、本編の間に頻繁に挟まる回想シーンのテンポの悪さや、ゴア描写の規制などで、酷評されることに。それでも今年の4月から6月まで第2期として『テラフォーマーズ リベンジ』が放送された。しかし、こちらもテンポこそ改善は見られたが、前作の不評が響き、それほど話題にならなかった。加えて今年4月に公開された実写映画版が、あまりの出来に珍作扱いを受けるという状態。リベンジどころか、叩かれるネタばかり提供した年となってしまった。

7位 『ユーリ!!! on ICE』が現役フィギュアスケート選手も巻き込み話題に

 今年の10月から12月まで放送された同作は、テレビ朝日系でキー局での放送ではあるが、テレビ朝日では深夜2時21分という最近の深夜アニメとしてはかなり深い時間帯ということで、放送前はそれほど話題はなかった。しかし放送を開始すると、女性アニメファンやフィギュアファンを中心に話題となり、アニメ好きとして知られる現・フィギュア女王のエフゲニア・メドベージェワが同作のコスプレを披露するなど、瞬く間に注目作品となった。他にもスイスのフィギュア選手のステファン・ランビエールが本人役で出演したり、劇中のグランプリファイナルでは、競技解説を織田信成氏が担当するなど、サプライズ面でも話題に。

6位 サトシ、20年目のリーグ制覇ならず

 スマホでゲームアプリ『ポケモンGO』が配信開始となり世間が湧いていた今年の夏、20年間続くアニメ・ポケットモンスターシリーズの『ポケットモンスター XY&Z』でも大きく注目されていた出来事があった。これまでシリーズを通して主人公を務めていたのにも関わらず、歴代シリーズのポケモンリーグを一度も制覇したことのないサトシが、カロス地方のポケモンリーグで快進撃を続けていたのだ。普段ならベスト8辺りで敗退するはずが、今回は決勝戦まで進み、ゲーム設定からしても強いポケモンを揃えたチーム編成なので、今度こそ優勝かと思われた。しかし、8月18日に放送された第38話では、決勝戦で敗退。ツイッターで「サトシ」がトレンド入りするなど、落胆の声が大きくあがった。別にポケモンマスターにしなくてもいいが、もう20年なんだしそろそろ優勝くらいさせてあげてもいいだろう…。

5位 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』連載終了・スペシャルアニメ放送

 40年間に渡り週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されていた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が2016年42号をもって連載を完結。様々な業界に衝撃を与えた。同作は1996年6月から2004年12月までフジテレビ系でアニメ放送していたが、連載40周年を記念しスペシャルアニメを9月に放送した。本放送時のようにゴールデンタイムじゃないものの、連載終了と連動する形になっており、ツイッターなどでは懐かしむ声や、連載終了に関して思いを語る人などが相次いだ。

4位 アニメの放送スケジュール崩壊

 今年は、ツイッターでのアニメーターのコメントなどにより特に10月期から開始されるアニメのスケジュールが崩壊寸前だという噂が多くみられた。結果としては放送休止、延期、総集編への差し替えをしたアニメは“それほど”多くはなかったが、アニメーターの待遇面が問題視されるなど、様々な話題を提供した。アニメ本数が激増し、スケジュールが崩壊した年としては他に、2006年や1998年辺りも有名だが、今回はツイッターなどSNSで、個人が情報を発信できる状況が整っていたということもあり、問題がより多くの人に知られる結果となった。そういった意味では、現在の体制を見つめなおす良い傾向なのかもしれない。

3位 劇場アニメが大当たり

 今年は、『聲の形』、『この世界の片隅に』など、劇場アニメのヒットがとにかく話題になった年だった。もちろん一番話題をさらったのはアノ作品だが。また、去年11月末から公開した『ガールズ&パンツァー 劇場版』が超ロングラン公演で、興行収入20億円の大台を突破したことも衝撃的だった。ちなみに、今年の邦画と洋画で20億円を超えた全作品の累計興収のうち、アニメ系作品は半数以上を占めているらしい。他にも、『ガールズ&パンツァー 劇場版』の立川シネマシティでの「極上爆音上映」や『KING OF PRISM by PrettyRhythm』のサイリュウム持込、大声可の「応援上映」などアニメ映画の上映形式も注目された。

2位 『君の名は。』歴代邦画興行収入2位に

 本来1位に入れなきゃいけないのだが、勝手にランキングなのでここで…。興行収入200億円を突破し、それまで上位にいたスタジオジブリ系の作品をごぼう抜き、1位の『千と千尋の神隠し』には届かないかもしれないが、現在も全国公開中で、まだまだ数字を伸ばしそうだ。

 ヒットの理由は他でも散々語られているので、あまり言うべきことはない。だが、画期的な点をあげるとすれば、これまでだったら、一般の人が嫌悪してしまいそうな、かなりアニメアニメしてるキャラデザで、なおかつ、かなりアニメアニメした表現をしていながらこの位置に来たということがある。これは長年専属スタッフで固められ、ジブリ的表現が確立している、スタジオジブリ系の作品とは、大きく違う点だろう。過去作から続く新海誠監督的な演出もあるが、深夜アニメも含む現在のアニメ表現の比重も大きい。こういった形式の作品でも、広く受け入れられることを証明したのが同作だ。

1位 『シン・ゴジラ』ヒット

 アニメじゃないじゃんというツッコミはあるかも知れないが、庵野秀明監督の作品だし…。最近のアニメ映画の盛り上がりを考えれば『君の名は。』のようにジブリ系作品を超えるヒットがいずれ出そうな土壌は整っていたのではないか? が、特撮に目を移せば、戦隊モノや仮面ライダーシリーズ以外はもう過去のもの扱い…。既にミレニアムシリーズの終わりの方のゴジラは『とっとこハム太郎』と抱き合わせ公開だった。しかもどちらかというハム様の方がメイン…。2014年、ハリウッドで『GODZILLA ゴジラ』でトカゲじゃないマトモなゴジラが作られ、いまさら感のある状況に、正直公開直後は国内のゴジラシリーズの死に水を取る勢いで劇場に行った人も多いのでは?

 同作の総監督を務めた庵野氏は、自作の特撮作品まで作った特撮マニアとして知られるが、同作の前に作った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の評価は決して芳しいものではなかった。また、監督の樋口真嗣氏も、平成ガメラシリーズの特技監督として伝説を作った過去はあるが、直前の実写版『進撃の巨人』がこれまた微妙。しかも予告編の情報量の少なさ。まあ、本編観れば納得だったが、不安要素しかなかった。

 それが蓋を開けてみれば、評判となり、これまで平成に入って公開されたゴジラシリーズ一番のヒット作だった、1992年公開のVSゴジラシリーズ作品『ゴジラvsモスラ』を抜き、興行収入80億円を突破。内容に関しては、方々で話されるので割愛するが、昭和からのゴジラファンと、その子供の世代に当たる人が“親子で”観に行ったVSゴジラシリーズの興行を全て抜くというのは、まだいけるじゃないかとファンが安堵するには十分の大きな意味があった。また、庵野氏が監督をしたということも大きい。クエンティン・タランティーノ監督のように、オタク趣味でも熱意(ここ重要)を持って挑み続ければ、いずれ“本物”を作れることを日本で見せたのだから。

 今年の出来事としては、他にラブライブシリーズの新作『ラブライブ!サンシャイン!!』の放送や、『艦隊これくしょん〜艦これ〜』の劇場版公開、『Re:ゼロから始める異世界生活』の大規模広告戦略などがあった。来年はどういった出来事が話題となるのか注目だ。(斎藤雅道)

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