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“あの頃”も“現在”も新日本を知る男“柴田勝頼”、満を持してオカダ・カズチカに挑戦!

 「リング上で『約束した相手がいる』って言った瞬間、『まさか、同級生じゃないだろうな』ってみんな思ったかもしれないですけど、『オカダ!』って言った瞬間、みんなが『これを期待してたのかな』っていう。『俺のやろうとしてることは間違ってないな』とは思いましたね」

 20日のアオーレ長岡大会で、バッドラック・ファレに勝利を収め、『NEW JAPAN CUP 2017』(NJC)を優勝した柴田勝頼が、21日に一夜明け会見を行い、試合後にオカダ・カズチカが保持しているIWGPヘビー級王座への挑戦を表明したことに対して、「間違ってなかった」と確信したことを明らかにした。両選手の対決は、4.9両国国技館大会で実現することが正式決定した。

 柴田がIWGPヘビー級王座に挑戦するのは、実に13年振り。当時は王者だった藤田和之に挑戦し、「惨敗だった」と本人も会見で話していたように、玉砕している。新日本マット復帰以降も、後藤洋央紀との同級生抗争(対決やタッグ結成も含む)や、棚橋弘至や中邑真輔との同世代との再会、NEVER無差別級王座を巡る第3世代との抗争、他団体との対抗戦など、柴田がIWGPヘビー級王座と絡む機会がなかった。しかし、たった一度だけ挑戦表明をしたことがある。それは2014年2月にエディオンアリーナ大阪大会で行われた、IWGPヘビー級王者のオカダに、盟友後藤が挑戦し敗れたあと、柴田がリング上でオカダと対峙。一気に対戦ムードが高まったが、オカダは「し、柴田…さん? …向き合っただけで挑戦できると思うなこのヤロー! ちゃんとNJCを優勝してから挑戦して来い!」と突き放し、柴田が同年のNJCに優勝できなかったこともあって実現しなかった。あれから3年の月日が経ち、ようやく柴田に約束を果たす機会が訪れたというわけだ。

 「ようやくですね。一回、『G1』で闘ったことがあるんですけど、タッグでも数回ですよね。4、5年いて、ホントに数回、リング上にいた時間なんて20、30分もないんじゃないかぐらいの。『こんなことってあるのかな』っていう思いでずっといて。これは俺の中で、『言ったら言っただけ、オカダから離れていくな』と。オカダを別に否定するわけではないんですけど、そこにまったく触れることができなかったっていうのが…ずっと常に虎視眈々としゃべらずに狙ってはいましたね」

 柴田はこの3年間、オカダとほとんど絡めなかったことに対して不満を抱きながらも、挑戦する機会を虎視眈々と狙っていたという。NEVER無差別級王者になった辺りから、試合後のコメントも多く出すようになってきた柴田だが、言いたいことをストレートに発言し続けている内藤哲也を見て、「許されるんだな」という思いになり、向き合っただけで挑戦が決まった鈴木みのるをNJCの1回戦で破ったことも、挑戦表明への決断を後押ししたようだ。

 これまでNEVER無差別級王座や、ブリティッシュ・ヘビー級王座といったシングルのタイトルを獲得してきた柴田だが、ベルトを腰に巻かないなど、ベルトへのこだわりがあまり感じられない選手のように思われてきた。しかし、これらのベルトの防衛戦を積み重ねてきたことで、考えが変わってきたという。

 「やっぱり『ベルトってどうなのかな』とは思ってたんですけど、去年一年(NEVER無差別級のベルトを)持って。まぁ、言ってみれば3番目のベルトですよ。3番目のベルト、そしてイギリスのベルトを持って闘っていく中で、『ベルトって必要ない』とそれまで思ってたんですけど、『やっぱり、ベルトって大事なんだな』って思いましたね。『中心として、いろいろ動かしていくものなんだな』と思いましたね。IWGPは新日本プロレスの象徴ですから」

 また、近年IWGPヘビー級王座戦線の顔ぶれが、オカダを中心に固定化していることに関しても、

 「(IWGPヘビー級王座戦線の)『新しい風景にしていきたいな』と。ずっとオカダなんで。俺が再び上がり出した時もオカダだったし、いまもなおオカダ。『IWGPで組まれる対戦カードも似たような選手ばっかりで、そこに一つ風穴を開けたいな』っていう気持ちはあります」

 と語り、自らがベルトを獲得することで、新たな流れを作って行きたい意向を示した。とはいえ、今年に入ってからのオカダは、1.4東京ドーム大会でのケニー・オメガ戦、2.5北海きたえーる大会での鈴木戦と、IWGPヘビー級選手権を期待値を遥かに超えるハードな試合で防衛に成功しており、3.6大田区総合体育館大会で行われたタイガーマスクW戦でも、ノンタイトルながらギリギリかつ、ワクワクするような素晴らしい試合を行い勝利を収めている。向かう所敵なし状態と言っても過言ではない。柴田優勝後のリングには現れなかったオカダだが、長岡大会のセミファイナルに出場後、「(決勝に進出した)柴田さんもファレも防衛戦をやったことがないので、新しい闘いを見せることができる」と自信あるコメントを残している。

 「俺はオカダが知らないあの頃の新日本を知ってるし、現在の新日本も知っている。オカダと闘えることに楽しみである部分、オカダ・カズチカの素の部分をどれだけ引き出して、俺の土俵で試合してやるかっていうのが、俺の中では凄い楽しみ。俺がプロレスラーとやってきた18年間、どこを区切ってもプロレスラーなんですよ。そこは誰も真似できない部分だと思います。昨日も言ったんですけど、『流す涙より、汗の方が美しいですよ』と。嘘つかないですから」

 オカダはこれまでにも、鈴木みのるをはじめ、第3世代や真壁刀義、そして棚橋や中邑といった“あの頃”の新日本プロレスを知る選手と試合をしてきているが、柴田は新日本の旗揚げメンバーである、故・柴田勝久氏の子息なだけに、「産まれたときから新日本」という自負がある。柴田が放つ独特な雰囲気は、古くからのファンには“あの頃”を最も感じるレスラーだと思うし、現在のファンには新鮮に映っているところがある。

 そんなシチュエーションの中、組まれたオカダ対柴田の一戦は、旗揚げ45周年という節目に実現するに相応しい、IWGPヘビー級選手権試合になるだろう。

(どら増田)
【新日Times vol.61】

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