search
とじる
トップ > スポーツ > 急展開! 中島裕之が大逆転でメジャー入りへ

急展開! 中島裕之が大逆転でメジャー入りへ

 今回の契約破談には『第2章』があった。ニューヨークヤンキースはポスティングシステムで独占交渉権を獲得した中島裕之(29)との交渉が「決裂した」と発表した。この一報を受け、埼玉西武の居郷肇・球団社長は「メジャーリーグへの挑戦が叶わなかったことは残念です」と中島の胸中を代弁し、さらに「2012年シーズンは埼玉西武の主力選手として日本一に貢献していただきたい」とコメントした。しかし、すでに西武球団は『中島退団』を前提とした布陣を固めてしまった。若手のホープ・浅村栄斗(21)の遊撃手固定、片岡易之(28)、栗山巧(28)の『3番争い』などがそれで、新加入の外国人選手のポジションを考えると、中島が余剰戦力になる可能性もゼロではない。

 「今後、中島は西武球団との契約更改を行うことになりますが、その席上で…」(球界関係者の1人)
 ポスティングシステムのルール上では、応札球団がなかった場合、あるいは、前年オフの岩隈久志(30)のように米・独占交渉権獲得球団との交渉が決裂した際には旧在籍チームでプレーする権利が認められている。
 だが、西武には『入札失敗の前例』もある。2008〜09年1月、三井浩二投手がやはりポスティングによるメジャー挑戦を夢見たが、「応札入団ナシ」(同オフに2度)に終わり、翌シーズンはライオンズに残留した。西武側はルールにしたがって、三井を“帰還”させたが、当時を知る元選手によれば、「三井さん? 居心地が悪そうでしたよ。選手は仲間であり、同じ野球選手だから気にしないけど、(当時の)フロントがね…」という。
 「チームに残留するにあたって、契約更改を交わしましたが、三井の本当の年俸はマスコミが報じていた金額よりもかなり低かったんです。経営陣にしてみれば、『ポスティングに掛けてくれ』と相談されたら、『球団を辞めたい』と言われたのも同じですからね」(前出・同)

 実は、当時の西武フロントは三井に対し、『二者択一』の相談を持ちかけていたのだ。1つはチーム残留。もう1つは「当人が望むのであれば、自由契約にする」というもの。当時の三井が『チーム残留を選択したのは、「現役を続けたいが、メジャー球団と交渉を続ける自信がなかったため」である。今回も、西武フロントは当時と同じ『二者択一の相談』を中島に持ち掛けるつもりだという。その通りになれば、中島は自由契約を選択するだろう。自由契約になれば、メジャー30球団と自由に交渉ができ、一気に話がまとめる可能性もある。最悪の場合、引退も覚悟しなければならないが…。

 「中島側は西武が自由契約を提示することも想定して、ヤンキースとの交渉決裂を選択したのではないだろうか。三井がチームに残留し、居心地の悪い思いをしたことや、自由契約を選択させようとした一件を知らないはずがありません」(前出・関係者)
 西武は今回の交渉決裂によって、ヤンキースの応札金・250万ドル(約1億9000万円)を得ることはできなくなったが、中島の2011年の推定年俸は2億8000万円。「その分を払わなくて済む」と割り切ってしまえば、何の問題もない。
 『自由契約』を選択させる−−。捉えようによっては、組織として冷たすぎる感もしないではないが、当事者同士が納得しているのなら、わだかまりは残らないだろう。今回の交渉決裂には「続き」がある。戦力として、中島が抜けるのは痛いが…。(一部敬称略)

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ