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豊洲新市場問題 石原慎太郎元都知事「ブタ箱」行きはあるのか

 「石原氏が訴追される可能性は大いにある。偽証罪で禁錮刑。もしくは、仮に“天の声”などを発して金銭が動いていたとしたら懲役刑もありえます。とにかく言動がブレまくっている。その背景はいったい何なのかですよ」
 こう明かすのは、元東京地検特捜部関係者だ。

 豊洲新市場の盛り土問題を巡り、築地市場の移転を決めた石原慎太郎元都知事(84)の姿勢が二転三転。この態度が自身を徐々に追い詰め始めている。
 「都のヒアリング要請を石原氏が拒否したとの報道に対し、石原氏は、『報道は間違いだ。都に協力する姿勢は変わらない』と否定したが、報道は間違いではない。石原氏は、面談や公の場でのヒアリングを拒否し、その“拒否”という言葉だけが先行しただけです」(都政担当記者)

 石原氏は、面談や公の場での質疑は健康上や年齢のこともあり“ノー”とし、ペーパーでの質疑応答であれば協力するとした。しかし、そんな石原氏の姿勢を、前出の元特捜関係者はこう一刀両断する。
 「寝たきりでもなく毎日散歩もできる体調なので、面談や公の場での質疑も問題ないはずだ。石原氏は突っ込んだ質問が出た際にうろたえ、追い詰められることを恐れているのではないか。だからペーパーでの質問にこだわっている」

 いずれにしても、豊洲新市場を巡っては不可解なことばかりが浮かび上がっている。その一つは、土壌汚染対策に盛り土が必要という専門家会議の見解を無視し、水産仲卸売場棟など5棟の下に“地下空間”が作られた点だ。
 建設工事の基本設計は日建設計が請け負った。民進党が入手した日建設計の2011年1月の都への提案書には、「盛り土は必要ない」と記載されていたという。
 「最終的に、この日建設計が設計会社に選ばれたわけですが、勝手にこの段階で“盛り土不要”とやったとは思えない。同社もここへ来て、マスコミの取材攻勢に対し観念したように『都の指示で“盛り土不要”を盛り込んだ』と説明し始めた。では、その指示を誰がしたのか、指示した人物に誰が命令を出したのか。都の職員単独で判断できるわけがないのです」(都議会野党議員)

 当時、豊洲新市場建設にあたっての最大の課題は、コスト削減と工期短縮だったが、盛り土をしないことで約175億円の削減、さらに工期も大幅に短縮されたという。
 「都の最初の内部調査では、肝心の部分については小池都知事に伏せ、“いつ誰が”を明らかにしていない。この動きも、調査担当の都職員が、小池氏よりも恐ろしい存在を前に金縛りに遭っているとしか思えない。それが“都議会のドン”と呼ばれる自民党の内田茂都議なのか、石原氏なのか、ほかの誰かなのか。そこが徹底追及されてしかるべきです」(前出・元特捜関係者)

 次に不可解なのが、膨れ上がった総事業費や談合の疑いだ。
 「'11年2月の時点で3926億円だった総事業費は、'15年3月には5884億円に膨らんでいる。中でも建設費は990億円から2752億円と、3倍近くにまで跳ね上がった一方で、'13年12月に行われた建設工事の再入札では、各工事の入札には一つの共同企業体(JV)しか参加せず、しかも、平均落札率は99.9%ですからね」(前出・野党議員)

 続けて前出の元特捜関係者も言う。
 「なにせ、盛り土に不可解な動きがあったのは石原氏の都知事3期目('07〜'11年)。当時、石原氏は肝いりで立ち上げた新銀行東京の不良債権問題という爆弾を抱え、アップアップの状態だった。そんな中、かなり強引な政治判断で事が進められた可能性はあります」

 都議会共産党は、疑惑追及の参考人招致へ向け、石原氏、豊洲の土地取得交渉を担当した浜渦武生元副知事、さらに市場関係担当の佐藤広元副知事や、歴代の市場長らの名前を記した「参考人招致要求名簿」を理事会に提出している。招致は都議会が10月13日に閉会する都合上、今会期中は見送られたが、同党は今後も強い調査権限を持ち、偽証に罰則も適用される「百条委員会の設置」を求める方針で、他の野党も足並みを揃える構えだ。
 「ただし問題は、都議会の半数近い60人の都議を抱える最大会派・自民党がどう出るかにかかっている。自民党が反対すれば百条委員会はおろか、参考人招致さえも無理」(同)

 しかし小池氏は、この問題をうやむやにできない立場にある。
 「最初の豊洲の調査結果で小池氏が“誰が指示したかは不明”と発表した直後から、都には抗議の電話が殺到したという。ここまで来たら徹底的に追及を貫かなければ自身の立場も危うくなることは、小池氏も分かっている」(同)

 高い支持率を持つ小池氏が百条委員会を開くと押しきれば、来年夏の都議選の結果を恐れる自民党も反対できないはずだという。
 前出の元特捜関係者は、こう断言する。
 「石原氏が参考人招致を拒んだり、妙な発言を繰り返せば必然的に百条委員会への流れとなる。そこで石原氏がすべてをさらけ出すか、下手をしてブタ箱行きになるのか。逃げれば逃げるほど追い詰められる」

 さらにその奥の闇が暴かれるのか…。小池氏と石原氏の動向に注目だ。

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