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嗚呼、貧乏人は恋も結婚もできないのか?

 2011年5月、内閣府の調査で結婚に対する切実な現状が明らかになった。
 なんと20代30代の既婚率が年収300万円で大きく分かれている事がわかったのだ。
 具体的な数字を出せば、次のようになる。

・年収300万円未満の既婚率 8〜10%
・年収300万円以上の既婚率 25〜40%

 つまり年収が低い人はなかなか結婚ができないという現状が見て取れる。さらに厚生労働省の過去データによると正社員と非正規雇用者の既婚率にも大きな差があることがわかった。

・正社員の既婚率 59.6%
・非正規雇用社の既婚率 30.2%

 多くの場合、非正規雇用者は正社員にくらべて収入が少なく生活も不安定なのが現状だ。やはりここでも経済的な事情が結婚できるかできないかを大きく分けているという現状が見て取れる。もちろん、年収が低いから結婚できないというわけではないが、年収が低い男性は自ら結婚をためらう場合が多く、女性も相手の年収が低いと結婚の対象から外してしまうということはよく聞く話し。
 それどころではない。内閣府の調査によると、「女性との交際経験がない」という人が、年収300万円未満の層が20代で35.5%、30代で33.6%もいるのだ。

 しかしいかに年収が低い非正規雇用者が結婚に不利とはいえ、中にはとんでもない裏技を使う人もいるという。以前とある結婚式場に勤めていたAさんがこんなことを教えてくれた。
 「ぼくの勤めていた結婚式場って表で働いている男性のほとんどが契約社員など非正規雇用でした。結婚式場ですから男性はみんなシュッとしてて言葉遣いも丁寧。客あしらいも女性あしらいも心得ている人ばかりです。そんな人たちが30代半ばあたりになると、なぜかアルバイトの女子大生とかと、『できちゃった婚』するんですよ。そういった人たちってこれまで、適当に遊んでいて避妊の失敗なんかしたことがないのに、みんな結婚を目的に狙って妊娠させているんでしょうね」

 いやはやなんともすさまじいというべきか?
 もっとも、女性の非正規雇用者も、男性正社員に対して、妊娠を武器に結婚を迫るということは昔からあった。しかしなんとも切実な話しである。

(巨椋修(おぐらおさむ) 山口敏太郎事務所)

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