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「王と長嶋〜プロ野球を国民スポーツにした2人の功労者〜」(27) 大病と妻の死乗り越え不滅の輝き

 外交の王さんに対して内政の長嶋さんとして、今後も日本プロ野球界を支え続けていくONは、ファンにとって永遠の生きがいでもある。どんな難局に直面してもあきらめることなく、正面から立ち向かっていく姿がファンに勇気と感動を与えてくれるからだ。

 「そういえば、オレもミスターも星野もそうだよね。日本代表監督をやった者は、女房を亡くしている。われわれよりも野球選手の妻というのは、それだけ気苦労が多くて、大変なんだよな」。こうしみじみと述懐したのは、王さんだった。
 今回の第2回WBC日本代表監督は世代交代を標ぼうして、50歳の巨人・原監督が務めたから例外的だが、アテネ五輪日本代表・長嶋監督が68歳。第1回WBC日本代表・王監督は66歳。北京五輪日本代表・星野監督も還暦を過ぎて就任している。そういう年齢的な問題もあるだろうが、夫人を亡くすというのは計り知れない衝撃がある。
 「生き別れの場合はいろいろな問題があるから別だろうけど、死なれるのはこたえるよ。だって、身の回りの物さえ、どこに何があるのかわからないんだからね。オロオロするだけだった。再婚? そんな気にはなれないよ」。王さんはこうしみじみと語った。

 恭子夫人の命を奪った胃がんが、その後、王さんをも襲うというアクシデントまであった。しかも、恭子夫人の遺骨が盗まれるというとんでもない事件まで起こり、いまだに解決していない。
 それでも、王さんは胃の全摘出という大手術からリハビリに励み、奇跡的な現場復帰を果たし、全国のファンを感動させ、勇気づけている。「遺骨はなくても、女房は墓の中で眠っている。自分を見守っていてくれる。そう思っている」。こう明言する王さんは、故・恭子夫人とともに憎い胃がんを克服したといえる。
 長嶋夫人の亜希子さんの場合は、アテネ五輪日本代表・長嶋監督がアジア予選後に脳梗塞(こうそく)で倒れた看病疲れと、持病の膠原(こうげん)病のために、亡くなっている。ある週刊誌などは長嶋家の夫婦の不和による別居問題などを面白おかしく書き立てたが、長嶋さんと親しい球界関係者は憤然とした。
 「亜希子さんが田園調布の家を出て、別居していたのは、自らの膠原病の治療のためだ。バリアフリーの家でないと生活できないので、仕方なく別の住まいに移った。膠原病が再発したのは、長嶋さんが脳梗塞で倒れ、その看病疲れもあった。それなのに、夫婦の不和で別居していたと書かれたのでは、長嶋さんも亡くなった亜希子さんもたまらないだろう」と。
 そういった誹謗(ひぼう)中傷にもめげず、長嶋さんは懸命なリハビリを続け、巨人軍専務取締役・終身名誉監督として東京ドームへ行き、宮崎キャンプ視察をするまでに回復している。「あの長嶋さんの笑顔が戻り、本当によかった。長嶋さんだからできた奇跡の復活劇だ」とファンは安堵(あんど)すると同時に、勇気をもらっている。
 「オレも長嶋さんもあれだけ健康管理に気をつけていたのに、全く予想もしなかった大病にかかってしまった。でも、2人がこうやって元気になったことで、ファンの人たちが自分の健康に気をつけるようになってくれれば、うれしいことだよ」。王さんはONの共通した思いを代弁する。常に視線の先にはファンがいる。「ONは神様だ」と巨人・渡辺球団会長は言うが、ONにとっては文字通り「お客さまは神様です」。ファンに支えられ、その恩返しとしてファンの元気の源になる。ONは永久に不滅だ。(終わり)

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