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トヨタ“火だるま” 米国法人トップがクライスラー入りで「戦略・情報」筒抜け!

 トヨタ自動車の米国法人トップがクライスラーに“一本釣り”されたため、トヨタは大揺れだ。トヨタの情報が米国のライバル会社に筒抜けになるため、同社の戦略を根底から見直さなければならないからだ。
 クライスラーの副会長兼社長に転出したのは北米トヨタ社長で、トヨタ本体の専務でもあったジム・プレス氏。
 「プレス氏は37年前に米国トヨタ自販に入社。販売網強化に辣腕を振るい、北米地区をトヨタのドル箱にまで躍進させた“最大の功労者”。昨年5月に北米トヨタ社長に就任。米自動車工業会の会長を務めるなど、米国の業界にも幅広い人脈を持っています。それが今回のヘッドハンテングに結びついたのだから皮肉です。トヨタはショックでしょう」(自動車業界紙記者)
 プレス氏の転出がトヨタに衝撃を与えたのは、米国での販売台数が年率10%増の驚異的ピッチで伸びるトヨタ手法のノウハウがライバルに筒抜けになるからだけではない。来年に迫った米大統領選を前に保護貿易色が高まり、一時沈静化した日米経済摩擦の再燃が危惧されているからだ。

 「世界一を目指すトヨタとしては、プレス氏の転出は痛い。彼は多彩な人脈を武器に議会などへのロビー活動を行う戦略部隊の指揮官でもあったからです。米国法人のトップとはいえ、今年の6月までトヨタ本体では執行役員に相当する常務役員でしたが、6月の株主総会で外国人としては初めて取締役(専務)に就任した。この抜擢人事こそ、貿易摩擦回避シフトに他なりません。渉外力に定評があるプレス氏に本体重役の肩書きを与えれば“トヨタの顔”として存分に働いてもらえると踏んだからです。リタイアによって今後、様々な面で支障をきたすでしょう」(前出・業界紙記者)
 貿易摩擦だけじゃない。自動車業界に詳しいジャーナリストは、声をひそめてこんなウワサを披露する。
 「以前からFBIがトヨタとマフィアとの関係を洗っているとのアングラ情報がくすぶっています。そうしたスキャンダルが火を吹けば、あのセクハラ騒動どころではない悪夢の再現に直結し、トヨタのイメージダウンは避けられません。そこへ摩擦再燃の追い討ちが加われば、トヨタは一転して苦境に追い込まれる」
 同社にとって北米市場は営業利益の7割を稼ぎ出す最重点地区。国内販売は長期低迷に喘いでいるだけに、北米で「もしも」の事態に見舞われればトヨタは火ダルマになる。
 米国で「トヨタの顔」だったプレス氏を口説き落としたのは、米ホームセンター大手、デポのCEOから8月にクライスラーCEOに転じたばかりのロバート・ナルデリ氏といわれている。一部では「高額報酬を約束した」とされるが、関係者はこんな見方をする。
 「一本釣りには相応の報酬を約束するのは当たり前。万事にドライな米国人に愛社精神をウンヌンしても始まりません。それよりも彼の転出を全米自動車労組が大歓迎していることが不気味です。米ビッグ・スリーが苦境に陥っているいま、トヨタ叩きが始まるでしょう」
 今年11月で創業70周年を迎えるトヨタは、早ければ来年にも御曹司の豊田章男副社長が社長に就任する「大政奉還」に踏み切ると見られている。プレス氏の抜擢人事は、それに備えて摩擦阻止と北米強化シフトの意味合いが強かっただけに、トヨタは急きょ国際戦略の練り直しを迫られそうだ。

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