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西田隆維のマラソン見聞録 第12話「体育協会のイベント」

 僕は今、タレントの傍ら『日本体育協会・長距離指導員』、『NPO法人・知的障がい者が豊かに暮らせる会(スポーツ担当)』の仕事もしている。今回はその中で先日(9月1日、5日)、開催した『体育協会』でのイベントについて綴っていきたいと思う。

 まず9月1日、群馬・安中榛名にある『松井田北中』で行った陸上教室についてレポートする。
 当日は、残念なことに雨。グラウンドが使用できない事から体育館で開催した。参加生徒は1〜3年生で45名ほど。さすがに体育館では大規模なトレーニングは出来ないので、陸上長距離選手が実際におこなっている簡単な練習を実践してもらった。

《その1》
 まず5分走り、その後5分歩く。次は10分走って、10分歩く。それをこの1セットで終了。しばらく休憩。

《その2》
 今度は『ファルトレック』という練習。これは90秒強めに走り、90秒経過したら、90秒ジョギング。そして60秒強めに走り、60秒ジョギング。これをもう1セット。2セット終えたら、30秒強く走り30秒ジョギングを3セット。最後に15秒強く走り15秒ジョギングを4セット。これが1セットで合計2回セットおこなった。

 練習後、簡単な講義をおこない、僕が競技について思う事を披露した。どういう事かと言うと−−。
 「僕はマラソンが好きだからずっと続けられたのではありません。練習をやりたくない時はよくあったのです。ではなぜ続けられたのか−−。強くなりたかったからです。自分の中で頑張ろうと思ったからです。辛い日々の連続です。しかし、自分を信じて頑張ってきたのです。テレビのニュースで輝かしい結果が報じられていますが、実は全員、皆さんの英語や数学に対する思いと同じように、毎日が苦痛なのです。ですから、皆さんも“英語が嫌いだから”“数学は苦手だから”と言って、机の上から逃げないでください。人は千差万別、それぞれ違いはありますが、最後まで頑張れば必ず道は拓けます」
 何人の生徒が理解したかは分からないが、その後は生徒たちと「彼氏」「彼女」の話など、フレンドリーに接する事が出来た。

 続いて9月5日−−。千葉・木更津の『岩根小』での練習について。
 9月1日もそうだが、僕の練習は大前提として「決して無理はさせない」「隣の人とおしゃべりが出来るペースで走らせる(強い練習以外は)」がベースになっている。
 勿論、この日も前述が練習の“柱”。しかも相手は小学生だ。将来がある子を僕の指導で才能を潰す訳にはいかない。
 この日は晴れたのでグラウンドを使用してのトレーニング。参加者は5年生65人。6年生63人の計128人。時間は9時30分から途中休憩を挟み11時15分までおこなった。

《メニュー》
 最初の15分、ペンギン歩き(かかと歩き=踵だけで歩行する事)。次の15分は歩きながら身体を左右にねじるストレッチだ。
 それが終了したら5分走って5分歩く、3分走ったら3分歩く西田スタイルの練習。これを1セットおこなったら休憩を入れ、これまた前述の『ファルトレック』を実施した。
 こちらは小学生なので最初の90秒を80秒に短縮してスタート。80秒強く走り80秒ジョギング。60秒強く走り60秒ジョギング。30秒強めに走り30秒ジョックを2セット。最後は15秒強く走り15秒ジョックを2セット。これを1セットのみおこなった。

 しばらくの休憩。小学生は遠慮知らずというか、僕のプライベートをずけずけ突いてくる。「なんで結婚しないのですか〜」「今まで何人の人と付き合いましたか〜」…参った。ただ、これで彼ら彼女たちの気持ちをしっかりつかんだ。みんな楽しそうに僕にじゃれてくる。
 最後に希望者を募り、僕と200メートルの勝負をおこなった。僕は10メートルのハンデをあげ210メートル走る事に。当初、僕は「相手は小学生だから」とナメていた訳だが、どうしてどうして。速い男子がいて、最終的には「勝てない」というアクシデントも発生したのだ。

 情けない話だが僕が負けた事により、小学生たちは大変、満足したイベントになった事は確かだろう−−。

<プロフィール>
西田隆維【にしだ りゅうい】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
陸上長距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。09年2月、現役を引退、俳優に転向する。9月3日スタートのラジオ番組「週刊 西田隆維(りゅうい)」(FMたちかわ)のメーンパーソナリティ。

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