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鳥谷の米球界挑戦に隠された“代理戦争”

 ニューヨークヤンキースのキャッシュマンGMが今オフのチーム強化策として『ジーターの後継者獲得策』を明言した。
 「(米FA市場にいる)遊撃手の人材は限られている。遊撃手そのものが少ないうえに、トレードを仕掛けるとなれば、その資金、交換要員などでこちらが打撃を被る」
 長年、ヤンキースのショートストップを任されてきたデレク・ジーター(40)の後継者はなかなか見つからないだろう。13年、メジャー最多の併殺プレー「102」をマークしたJ.J.ハーディーが契約切れとなり、キャッシュマンGMも熱い視線を送っていた。しかし、オリオールズと新たに3年契約を締結。キャッシュマンGMのボヤキはそのせいかもしれない。

 「大物と呼べるFAの遊撃手で残っているのは、ドジャースのハンリー・ラミレス(31)くらい。ブルージェイズも内野手を探しており、今年の米FA市場は内野手の奪い合いになりそう」(米国人ライター/11月20日時点)
 阪神・鳥谷敬(33)が海外FA権を行使し、日本球界への帰還が確実視されていた中島裕之(32)が「アメリカでの契約がダメなら…」と含みのある言い方に変えてきたのも、その影響だろうか。
 鳥谷、中島の代理人は松坂大輔の超・大型契約をレッドソックスから勝ち取ったあのスコット・ボラス氏だ。ボラス氏は鳥谷を「日本のカル・リプケン」と米球界にピーアールしていた。カル・リプケンは歴代1位の2632試合連続出場を記録した名遊撃手。たしかに、鳥谷も『10年連続全試合出場&3年連続フルイニング出場』を果たしたが…。
 このちょっと過剰なピーアール文言には、まだ日本で伝えられていない米FA事情が隠されていた。

 「急浮上してきたアジア系遊撃手がいるんです。米メディアのなかには『日本の前田健太、金子千尋よりも話題になるかも!?』と、早くからマークしていたところもありました」(前出・同)
 韓国・ネクセンヒーローズの遊撃手、姜正浩(27/カン・ジョンホ)が、ポスティング・システムによる米球界入りを狙っていることが判明したのだ。
 姜の米球界挑戦には、米スカウトも日本の前田と同じくらい関心を寄せていたという。韓国9年間でのバットマン成績は、打率2割9分8厘。本塁打139。韓国ゴールデングラブ賞に3回選ばれているが、『打撃成績』はフツーだ。そんな姜が注目された理由は「ガッチリとした体格」にある。この姜の代理人はアラン・ニーロ氏が務めるとのことで、
 「アジア系の内野手の評価がまだ下降気味になるのなら、彼がそれを一変させるかもしれない」
 とも話しているそうだ。

 過去、体格差と肩の強さで生き残れなかった日本人内野手は多い。米メディアの一部が「日本の前田よりも話題になりそう」とチェックしてきた理由は、姜のガッチリとした体格にあったようだ。
 韓国球界の名鑑によれば、姜は183センチ・96?。NPBデータによれば、鳥谷の身長と体重は180センチ・77?で、メジャーリーグ名鑑にある中島の身長と体重は、180センチ、91?。鳥谷はスマートすぎるが、中島と大差はない。日本贔屓かもしれないが、数字的にはアジア系内野手の評価を一変させるような大柄な選手ではないと思うが? 

 ニーロ氏が所属するスポーツマネジメント会社『オクタゴン・ワールドワイド』と代理人契約を交わす日本人メジャーリーガーは、黒田博樹、和田毅など。田口壮氏、石井一久氏、高津臣吾・現ヤクルトコーチ、城島健司氏のマネジメントを務めてきた実績もある。遊撃手を探す今オフの米球界において、その主導権を握るのはボラス氏か、それとも、アラン・ニーロ氏か…。代理人のメンツが掛かっているようである。

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