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「ゲゲゲの女房」の漫画家が描いた幻のウルトラマン漫画とは!?

 現在好評放送中のNHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』。ご存知のように、このドラマは人気漫画家である水木しげるの妻、武良布枝の自伝を原案として描かれているドラマです。
 当然、ドラマの中では、水木しげるが漫画の原稿を描くシーンがあるし、水木しげる以外の漫画家が描く漫画も多く登場しています。
 ところで、そんなドラマの中で何気なく登場している漫画を実際に描かれているのは誰か、皆さんはご存知でしょうか?
 おそらく、ほとんどの人は、水木先生が当時描いた漫画の原稿をコピーして使っていると思っているのじゃないでしょうか。

 実はこのドラマに登場している漫画の大部分は、漫画家の海老原優さんが描いているものなのです。海老原氏は「ゲゲゲの女房」に、漫画指導として参加しており、ドラマの中に登場する漫画や漫画原稿などの監修をしているのです。
 ご存知の通り、NHKでは実在する商品の名前などを、ドラマの中でも使うことができません。そのため『週刊少年マガジン』の代わりに登場した『少年ランド』や、『月刊漫画ガロ』の代わりに登場した『月刊ゼタ』などの表紙も、当時の雰囲気を意識しながらも海老原氏がデザインして、雑誌に掲載されている漫画も描いているのです。
 それにしても、海老原氏がこのドラマのために描いた水木しげるの漫画原稿の再現度はスゴイ。私は相当の水木マニアであるのですが、ドラマを見ていても、水木しげる先生の原稿のコピーを使っているのだとずっと思い込んでいました。
 ドラマの中に登場する漫画を、海老原優という漫画家が描かれていると知った私は、どうしても海老原氏がどのような人物なのか気になり、取材を試みてみることにしました。

 海老原氏は、この9月から新潟の長岡造形大学の視覚デザイン学科で非常勤の講師を始められるとのことで、非常にお忙しい中、取材に応じてくださいました。
 海老原氏からは、挨拶もそこそこに出会い頭から、相当に熱い水木しげるトークを語っていただきました。おまけに私が怪獣映画や特撮モノなども好きだと知ると、ゴジラやウルトラマンについての非常にマニアックなトークも、物凄い勢いで語り始めたのです。
 ある程度の予想はしていましたが、水木マニアでも当時の漫画原稿のコピーを使っていると勘違いしてしまうぐらいに、漫画原稿をこだわりを持って再現してしまう海老原優氏は、相当に濃いマニアックな人物なのでした。水木しげる以外の漫画家についても、特撮やアニメ、さらにはアイドルについてだって、語り出したら止まりません。
 海老原氏は、私が特撮モノも好きだということを知ると、以前に趣味で描いたという、ウルトラセブンの未映像化脚本をモチーフに描いたという同人誌『地球最悪の侵略』をプレゼントしてくださいました。ウルトラマン、セブンに登場する全怪獣が登場するというサービス満点のこの漫画に、特撮マニアである私は大興奮!
 惜しむらくは、マニア大感激なこの傑作漫画も、あくまで海老原氏が趣味で描いたものであり、怪獣好きの友人たちに配るためだけに作られた同人誌であるため、一般の方々の目に触れることはないのだとか。うーん、もったいない!
 それにしても、ドラマの中で一瞬しか映らない水木しげる先生の漫画原稿の再現や、全怪獣に見せ場がしっかり用意されているウルトラマンの漫画を趣味で描いてしまったりしている海老原さんを見ていると、自分が面白いと思うものを描くことにこだわり、作品を描き続けた水木しげる先生の姿と一瞬被ってしまうように見えてしまったのは、私の気のせいでしょうか?

(「作家・歩く雑誌」中沢健 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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