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巨大地震に仰天対策! 東京都の4倍『吉備高原』に首都丸ごと移転構想の是非

 先頃、愛媛県松山市で開かれていた日本地質学会の愛媛大会で、移転先として提唱されたのは、候補地として一度も挙がったことはなく、大都市からの便も悪い、岡山県中央部に位置する吉備高原エリア。首都直下型巨大地震の可能性が指摘される中、日本地質学会で、「首都を移転させるなら吉備高原がベストではないか」としたテーマの議論が交わされ、にわかに注目を集めている。

 吉備高原は岡山県と広島県、兵庫県にまたがり、標高300〜700メートルで比較的なだらかに隆起した地帯だ。地震や火山などの災害のリスクを考えた結果、3500万年前から安定していることなどから、ここが首都機能移転にはうってつけなのだという。
 「そもそも日本列島は、1500万〜2400万年前にアジア大陸から東北日本と西南日本に分かれた状態で離れ始め、その後、合体して形成された歴史を持ちます。その中にあって、吉備高原の部分はアジア大陸にあった時代からそのまま移動して、現在の陸塊になったとされる。吉備高原南東部の岡山県赤磐市では、3億年前に海底が隆起した跡など、各年代で学術的に貴重な地層や地形が数多く発見されています」(サイエンスライター)
 さらに、岡山県内を走る活断層もわずか3本とされ、吉備高原周辺には現時点で発見されていない。そのため、岡山県などは原発の使用済み燃料などの核のゴミの最終処分場候補地として挙がるほどだ。

 しかし、そこまでこの一帯は安全と言えるのか。
 これまで数多くの地震と火山噴火を予測し的中させてきた、琉球大名誉教授の木村政昭氏は、こう言う。
 「3500万年前と言えば、地質的に比較的新しいなかでの古い方と言うべきでしょう。では、そこが安全なのか。確かに、南海トラフ地震の影響を受けそうな太平洋沿岸地域と比べれば安全かもしれないが、それが絶対かといえば、そう簡単に断言できない。日本列島で地震の心配のない安全なところはどこにもないという前提を、忘れてはいけません」

 巨大地震が岡山県を中心に起きた例は、記録上残されていない。ただし、県北東部には、兵庫県側から山崎断層帯が延びている。
 「この断層帯のうち、兵庫県内にかかる北西部区間では、868年にM7.0以上とされる播磨国地震が発生し、岡山県でも大きな被害が出ている。また、1909年に遠く離れた宮崎県西部の深い震源で起きたM7.6の地震でさえ、岡山県内で家屋が全壊した例もあるのです」(前出・ライター)

 吉備高原地域は、東京都の4倍もの面積。首都機能どころか、首都をまるごと移転可能とはいうが、それだからと言って日本が守られるという保証は…ない。

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