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入鹿池に出る現代妖怪 Uターン爺、ジャンピング婆

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 日本でも有数の現代妖怪スポットと言えるのが愛知県にある「入鹿池」だ。同所は他の心霊スポットと違い、「幽霊談」以上に数多くの「現代妖怪談義」であふれている。知人の話によると、入鹿池の湖底には旧入鹿村が水没している。池を作るために住民を立ちのかせ、村を沈めた。そのときに出た怨念が多くの妖怪を生み出したという。

 友人のライター・皆月斜君から聞いた話によると、この入鹿池そのものが妖怪であるそうだ。明治時代、ため池である入鹿池の水があふれて大水に発展した、俗に言う「入鹿切れ」の際には、入鹿池の主が大声で「やろうか、やろうか、やろうか!!」と叫んだという。それに応えるかのように、他の池の神が「よこさばよこせ!!」と叫び返したところ、たちまち堤が切れ、周囲一帯が大水に見舞われたと言われている。これは「やろう水」系の妖怪談。いかに入鹿池が恐ろしい場所であるかが分かる。

 入鹿池に存在すると言われている現代妖怪を紹介してみよう。まずは、「Uターン爺(じじい)」だ。夜に入鹿池に行くと、いきなりおじいさんが走ってきて、入鹿池に勢いよく飛び込むという。そのままバサロ泳法で向こう岸まで泳ぎ、水中で対岸を蹴ってUターンする。そのままこちらに泳いできて、再び陸に上がると、ものすごい勢いで走っていくという。

 また、「トランペット小僧」は、池の真ん中に浮かび(寝ながら浮かんでいる、もしくは水上に立っているという説もある)、トランペットを悲しげに吹き鳴らすと言われている。これは吹奏学部だった中学生が入鹿池で自殺し、妖怪と化したと言われている。

 「ジャンピング婆(ぴょんぴょん婆)」も人気である。池の周辺にある道路に出没し、ものすごいスピードで車を追走する。抜き去る際は、振り返ってニタリと笑うというのだ。

 地元の議会議員の証言によると、入鹿池の妖怪の中には『舟に乗ったおばあさん』という地味なキャラもいる。夜、水面に怪火(かいか)がぽつりぽつりと宿り、いつの間にか舟に乗った老婆が姿を現す。この時、そのまま無視すれば問題ないのだが、うっかり老婆に声をかけると水中に引き込まれると言われている。

 また、「湖底の墓石」という怪異談もある。湖上のあるポイントで池を見下ろすと湖底に墓石が多数確認できる。その湖面をボートで通過すると、湖底に引きずり込まれるのだ。

 岐阜出身の某アイドルから聞いた妖怪は「スクワット爺」。この妖怪は、入鹿池のほとりに出るじいさん妖怪で、ただひたすらスクワットをしているという。

 また、「ローリング爺」「ターボ爺」も入鹿池周辺の道路に出没する妖怪で、自動車をハイスピードで追いかけるとされている。どちらにしろ、ローリングやターボというからには、やたらと速そうだ。

 入鹿池にまつわる話はコミカルな妖怪談が中心ではあるが、中には幽霊談もある。過去には、受験に失敗した女子高生が入水自殺している。この女子高生がずぶぬれの幽霊になって出てくるとか、ボートが転覆して水死した男性が助けを求める声を上げると言われている。

 村が湖底に沈み、「入鹿切れ」で周囲の集落が壊滅するという悲しい記憶がこのような不思議な伝説を生み出すのであろう。

(山口敏太郎)

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