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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ「青背魚と_サバ缶」魚の脂に含まれるEPAとDHAは健康効果絶大 メタボに朗報!「中性脂肪」は青背魚で減少する!!

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提供:週刊実話

 大衆魚として日本人に親しまれてきたサバ、イワシ、アジ、サンマが体によいことはよく知られている。「血液サラサラ」「頭がよくなる」など、聞いたことがある方も多いに違いない。

 これらの魚の健康効果はこれだけにとどまらない。なぜ、どのように体によいのだろうか。栗原クリニック東京・日本橋の院長・栗原毅先生は次のように言う。

 「これら、いわゆる青背魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)という脂質が豊富に含まれています。EPA・DHAともに、増えすぎると動脈硬化を進行させる中性脂肪と悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を防止する善玉コレステロールを増やす働きがあるのです」

 どちらも魚の脂に含まれる、似たような成分だが、その効果には違いがある。

 血液や血管の健康につながる作用を持つのはEPA。赤血球膜をやわらかくし、血小板に作用して血流をよくする効果がある。「血液サラサラ」に効くのはこちら。

 これに対して、DHAには脳神経の情報伝達を促し、脳を活性化する作用があると考えられている。「頭がよくなる」のはこちらだ。

★中性脂肪を貯め込まない

 栗原先生はEPA・DHAに共通する中性脂肪減少効果に着目する。
「中性脂肪を減らす働きが特に強いのはEPAです。ある研究では、1日600mgのEPAを12週間摂取し続けた結果、血中中性脂肪値が約20%低下したと報告されています。また、別の研究ではDHA1000mgを含む飲料を6週間摂取し続けた結果、皮下脂肪が減少し、内臓脂肪も減少傾向にあったそうです」

 中性脂肪は本来、体に必要なものだが、血液中に中性脂肪が増えると、血液はドロドロの状態になり、血管の中をスムーズに流れなくなる。一方、エネルギーとして消費されなかった中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積される。

 この状態が続くと動脈硬化のリスクが高まり、さらには脳卒中や心臓病、脂肪肝、糖尿病などの深刻な病気につながる。

 皮下脂肪は病気につながるリスクは比較的低い。問題は高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高める内臓脂肪だ。見た目はそれほどの肥満ではなくても、内臓脂肪型の「隠れ肥満」は“問題アリ”と肝に銘じたい。

 食生活に青背魚を
 EPAとDHAは体に不可欠な脂肪酸だが、体内で合成することができない。つまり、食べものから摂取する必要があるのだ。

 厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によれば、18歳以上のEPAとDHAの摂取量目標値は1日あたり1000mg(最新の2015年版には目標値が示されていない)。EPAとDHAを豊富に含むサバ、イワシ、アジ、サンマなど青背魚なら、100g程度で摂取できる。
「EPAの吸収率は、煮たり焼いたりすると約80%、揚げると約50〜60%に低下します。無駄なく摂取するなら刺身などの生食がいちばん」(栗原先生)

 青背魚以外でEPAとDHAが豊富な魚の代表にマグロやブリがある。マグロはマイワシ並み、ブリはサンマ並みにEPA・DHAを含んでいる。刺身なら1人前で十分な分量だ。

 EPAやDHAは空気に触れると酸化しやすいため、新鮮な魚を選び、抗酸化作用のあるビタミンCを含む野菜と食べるのがポイント。刺身のツマをバカにしてはいけない。

★サバ缶利用で毎日EPAを

 青背魚や刺身向きのマグロやブリを合わせ、さらにサンマ並みのEPAとDHAを含むサケなども加えれば、毎日のEPA・DHA生活も実現できそうに思える。

 しかし、いまや魚は高級食。今年不漁が予想されているサンマなどはもはや大衆魚ではなく、高嶺の花になりつつある。また、調理の手間から二の足を踏む向きもあるだろう。

 そこでおすすめするのがEPAとDHAを手軽に摂取できるサバ缶だ。

 安価で調理の手間がいらないうえ、サバ缶なら1缶で1日の摂取量の目標値である「EPA・DHA合わせて1000mg」をほぼクリアできる。しかも、新鮮なうちに加工されているサバ缶なら、EPA・DHAも酸化の心配はいらない。

 少し前に起こったサバ缶ブームでは、入手が難しい時期すらあったが、いまは落ち着いている。どこでも手に入る安価なサバ缶を主役にして、青背魚やサケの切り身を織り交ぜ、時にマグロやブリなどの刺身を楽しめれば、毎日のEPA・DHA食による体質改善も無理なく行えそうだ。それでも飽きたときには、ぜひ上に掲載した「サバ缶レシピ」を活用してほしい。

 薬品とは違って、食の効果は劇的には現れにくいもの。新しい習慣を身につけることを目指し、「継続は力なり」の精神で気長に取り組みたい。

◎青背魚に含まれる良質な脂
・DHA サバ、イワシ、アジ、サンマなどの青背魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種。体内で合成できないため食物から摂取する必要がある必須脂肪酸でもある。中性脂肪コレステロールの低下作用ではEPAに劣るが、脳神経の情報伝達を促す働きがあり、脳の活性効果も注目されている。
・EPA DHA同様、サバ、イワシ、アジ、サンマなどの青背魚に多く含まれる不飽和脂肪酸、必須脂肪酸。注目されるのは血液・血管の健康を維持する効果。中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす働きがある。

◎青背魚別のDHA、EPA含有量
・イワシ(焼き)DHA:980mg EPA:790mg
・サバ(焼き)DHA:1500mg EPA:900mg
・サンマ(焼き)DHA:1200mg EPA:560mg
・アジ(焼き)DHA:820mg EPA:430mg
※出典:文部科学省「七訂日本食品標準成分表 脂肪酸成分表」より

◎サバ缶の長所
・どこででも入手でき、安価
・調理済みで手軽に食べられる
・1缶で1日のEPA・DHA摂取量目標値が摂れる
・EPA・DHAが酸化していない
・動物性たんぱく質だから制限しなくてよい
市販されている一般的なサバ缶は150g程度。上に基づいて計算すると、含まれるEPAは1350mg、DHAは2250mg相当になる。

◎簡単に作れる お勧めサバ缶レシピ(2人分)
サバと香味野菜のおろしぽん酢
材料
・サバ缶(水煮):1缶
・万能ねぎ:3本 ・みょうが:1個 ・かいわれ大根:1/3束 ・大根:8㎝くらい ・ぽん酢:適量
作り方
(1)サバ缶の汁気を切り、皿に盛る。
(2)万能ねぎ、みょうが、かいわれ大根を食べやすい大きさに切り、大根は、大根おろしにする。
(3)(1)に(2)の薬味を盛りつけ、ぽん酢をかけて完成
※_香味野菜たっぷりでいただくと、サバの臭みがやわらぎ、おいしくいただけます。

サバ缶 やみつきピーマン
材料
・サバ缶(水煮):1/2缶
・ピーマン:5個 ・ごま油:小さじ1 ・砂糖:小さじ1/2 ・しょうゆ:小さじ2 かつお節:お好みの量
作り方
(1)ピーマンは種をとり、縦半分に切ったあと、横5㎜幅に切る。
(2)サバ缶は水気を切り、軽くほぐしておく。
(3)フライパンにごま油、ピーマンを入れて炒める。
(4)(3)に(2)、砂糖、しょうゆを加え、水分が飛ぶまで炒める。
(5)皿に盛り、かつお節を振りかけて完成。

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監修/栗原 毅先生
栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。日本肝臓学会専門医。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。主な著書・監修書に、TJ MOOK『決定版! 内臓脂肪を落とす名医のワザ』(宝島社)など多数。

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