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リアルジャパンプロレス07・21決戦前夜! 明日は何が起こるのか?

 明日、リアルジャパンプロレス7月21日後楽園ホール大会『SPACE FLYING TIGER DROP』(スペース・フライング・タイガー・ドロップ)は注目の対戦カードが出揃った。

 2月18日に代々木第二体育館で行われたチャリティー興行以降、初代タイガーマスクこと佐山サトルが『武道 掣圏』の立ち上げと掣圏真陰流神楽坂スタジオの設立に専念していたため、リアルジャパンとしては約5か月ぶりの興行となる。
 “ストロングスタイルの復活”と“プロレスの復興”を果たすべく、虎の遺伝子を持つ選手たちが新しい一歩を踏み出す重要な大会になりそうだ。リアルジャパンの下半期はこの興行で幕を開ける!

 “リス虎”泉田純至が話題の中心に。

 2009年末にプロレスリング・ノアを離れ、フリーとなった泉田純至。その後は健介オフィスやレスリング・ドリーマーズなどに単発的に参戦したが、様々な事情が重なり、思うような活躍はできないでいた。
 「このままではいけない」と一念発起した泉田が、プロレスに本格復帰したことを内外にアピールするために、ブチ上げたのが「初代タイガーマスクとの対戦」だった。
 全日本プロレス育ちという立場から公言してこなかったが、学生時代は初代タイガーマスクに憧れていたという泉田は、「レジェンド・ザ・プロレスリング」の大会のバックステージで、初代タイガーマスクと初遭遇。残念ながらリング上で絡むことはできなかったが、同じリングに上がったことで、初めて対戦相手として意識したという。

 いても立ってもいられなくなった泉田は、これまでのレスラー人生を振り返っても「ここまで自ら行動したことはなかったのではないか?」と思うぐらいアグレッシブに自分を売り込んでいった。
 まずはマスコミを独自に集め記者会見を行い、対戦相手として名乗りを上げると、さらに掣圏真陰流・興義館をアポなしで訪問。残念ながら本人には会えなかったが、菓子折を持参し、熱い思いのこもった手紙を託した。
 一見すると“ストーカー”にも見えたが、泉田の気持ちは真剣そのもの。その思いがリアルジャパンプロレスを動かし、本田多聞&泉田純至&菊地毅vs初代タイガーマスク&長州力&藤波辰爾という対戦カードが決まった。
 初代タイガーマスクだけでなく、藤波と長州という偉大な“レジェンド”との対戦が決まり、感激した様子の泉田だったが、その直後から目標を「対戦すること」から、「勝利すること」に切り替えて動いていく。

 対戦相手を敬う気持ちを抑え、畏怖の感情を乗り越えるべく、毘沙門天が祀られている善國寺で秘密特訓を行い、精神面を鍛え直すと、続いてレスリング・ドリーマーズのはやてに初代タイガーマスク対策を学びに行った。全てはタイガーマスク越えに直結している。
 メジャー育ちで来年デビュー20周年を迎える泉田のようなベテラン選手が、自分よりキャリアの浅いインディー出身の選手に教えを請う。今の泉田には余計なプライドもない。とにかく必死なのだ。
 必死なのはリングの上のことだけではない。記者会見で自分の気持ちを懸命に語るだけでなく、終了した後には「どうやって自分を打ち出していけばいいのか?」「なにがファンに求められているのか?」などをマスコミに自ら質問していく姿が印象的だった。
 自分を“リス虎”と称しているのも、マスコミ受けがいいからこそ。記事にならない部分でも、自分なりにテーマを持って行動しているのだ。そういう泉田の積極性はパートナーにも伝染し、本田多聞と菊地毅も俄然気合が入っている。

 泉田組=レジェンドの図式。

 泉田自身が「格が違う」と語っている通り、確かに“レジェンド”の3人は圧倒的な実績と名声を誇っている。観客もそういう見方をしてしまうだろう。
 ただ、泉田たちの実績も素晴らしいものがあるのだ。泉田は大相撲出身で、相撲教習所の教官を務めていたことは有名。
 菊地もアマレスで全日本学生選手権を制しているし、多聞はアマレスでオリンピック3大会連続出場(ロサンゼルス五輪、ソウル五輪、バルセロナ五輪)という輝かしい経歴を持っている。
 プロになっても、泉田と多聞のコンビは、過去にアジアタッグ王座を奪取しており、さらに多聞は小橋建太とのコンビで2度GHCタッグ王座を獲得。
 菊地も世界ジュニアヘビー級王座、アジアタッグ王座、IWGPジュニアタッグ王座をそれぞれ戴冠した経験があり、実は彼らも“レジェンド”と言っていい存在なのだ。

 公開練習を重ねて万全の状態で試合に臨む泉田に対し、初代タイガーマスクは不安が大きい。これまでの不調の原因であったふくらはぎと膝を治すため、レスラー生活初の手術を決断。
 DNAから細胞を培養し、幹部に戻すという幹細胞治療に取り組んでいる。
 しかし、今大会までに完全に復活するには明らかに時間が足りない。泉田とは反対に、万全とは言えない状況で試合に臨むことになりそうだ。
 また、藤波と長州は「レジェンド・ザ・プロレスリング」の大会で再び対戦することが決まっており、組みにくさは感じているはず。ここにレジェンドチームの不安が残る。
 フリーとなってハングリーになった泉田たち3人は、全日本プロレス、プロレスリング・ノアと常に行動を共にしてきており、タッグを組んだ経験も豊富で、コンビネーションに不安はない。
 泉田の積極的な行動が今回の対戦カードを生み出したが、今度は勝利というアップセットを起こしてもおかしくない状況になってきている。

 当初から「佐山先生」と敬意を表してきた泉田は「なんとか噛みつきたい」と悲壮感すら漂わせるコメントをしていたが、厳しい練習で自分をいじめ抜き、最終的には「いい試合をするだけじゃなくて、勝ってきます」と断言するまでになっていた。
 泉田の努力は報われるのだろうか?

 リアルジャパンの未来を占うセミファイナル。

 メインイベントはリアルジャパンらしい豪華な対戦カードとするなら、セミファイナルの長井満也vsスーパー・タイガーはリアルジャパンの未来が懸かったシビアなカードだ。
 虎の遺伝子を持つスーパー・タイガーは鳴り物入りでデビューし、その直後から活躍し始めていたが、いつしか壁にぶつかるようになっていた。
 そこでさらに自分のレベルを上げるために、あえて師匠に背を向けることを決意。外敵として参戦していた鈴木みのるとのタッグ結成に動いた。

 何度も罵声を浴びせられ、悔しい思いをしてきたスーパー・タイガーだったが、それでも鈴木から様々なテクニックを吸収し、着実にレベルアップ。
 戦績も勝ち星が増え、対戦相手の口からも「スーパー・タイガーは良くなった」という声がよく聞かれるようになってきた。
 鈴木とタッグを組んだのは自分の実力を上げるためだが、その裏側には当然「リアルジャパンを盛り上げたい」という思いがある。
 今回、鈴木の下から離れて、まずスーパー・タイガーが狙いを定めたのが、長井満也が保持するレジェンド選手権のベルトだった。その理由も“団体愛”からだろう。

 レジェンド選手権は初代タイガーマスクが初代王者となった、言わば“リアルジャパンの至宝”。だが、最近は外部の選手が王者のため、団体の中心というイメージは無くなってしまい、タイトル戦線も大きな盛り上がりを見せることはなかった。
 しかし、スーパー・タイガーがベルトを巻くことができれば、その流れも変わるはず。外敵や後輩たちも目の色を変えてベルトを狙ってくるのは明白で、タイトル争いが激化し、かつての輝きを取り戻すことができるかもしれない。
 ただ、王者長井としてもプライドがある。ましてや、スーパー・タイガーの行動には疑問を感じているだけに、タイトルを奪われるわけにはいかないのだ。

 強くなるために外敵とのタッグを選択したスーパー・タイガーに対し,「ファンはスーパー・タイガーこそ鈴木みのるに食いついてもらいたかったんじゃないの?」と疑問を呈した長井は、「アイツは“野生の虎”ではなく、鈴木みのるに飼い慣らされた“動物園にいる虎”」と断罪した。
 今のスーパー・タイガーは小手先のテクニックを身につけて、以前は際立っていた、不器用だが必死な我武者羅さが、無くなったように見えるのだという。
 双方の考え方にうなずける部分があるが、どちらにせよ結果が全て。
 ウエートトレーニングの最先端エンドウジムで肉体改造にも着手したスーパー・タイガーにしてみれば、この試合はここ数年味わってきた「苦難の最終回」であり、「新章の始まり」を宣言するためにも越えなければいけない壁でもある。
 弾き返されてしまったら、ここまで築いてきた物語が無駄になってしまうのは明白。
 リアルジャパンの未来が懸かった試合になることは間違いなさそうだ。

 折原とシャークの抗争に隠されたテーマ。

 昨年の11月、試合中に身体の痺れを感じた折原昌夫は緊急入院。『中心性脊髄損傷』と診断され、1週間の絶対安静が言い渡された。
 治療を続けても体調が戻らず、再検査を繰り返した結果、『後縦靭帯骨化症』であることが判明した。この病気は、骨の間にある靱帯が骨と一体化し、神経を圧迫して痺れを起こすもので、未だに詳しい原因が判明していない難病。
 一時は復帰どころか、日常生活に戻れることすら危ぶまれ、折原も精神的に追い込まれたという。
 しかし、「あくまでも復帰が前提」だった折原は、「骨化した首前方への負担を軽くするために後方の骨(3本)を取り除く」という手術を行い、奇跡的に病気を克服。脅威なスピードで回復し、今大会での復帰を決めた。

 もちろん再度首を痛めることがあれば、今度は生死に関わってくる。
 首を補強するための筋力トレーニングや首にダメージを残さない受け身などを研究し、練習してきた。
 以前から首の痛みには悩まされていたが、再び痺れなども出ることはなく、コンディションは欠場前と比べても良化している。
 その折原に「アイツは首の骨を抜いたんでしょ?そんな選手がプロレスにすぐ復帰できると思うなよと。ちょっと懲らしめてやろうか」と噛みついたのが、タイガー・シャークだ。
 以前、折原とタイガー・シャーク、そして、ブラック・シャドーはユニット“リアル・ダーク”として暴れ回っていたが、折原欠場前に分裂。抗争が勃発していた。
 この挑発を受けて、今大会では“タイガー・シャーク&佐藤光留vs折原&ヒロ斉藤”のタッグマッチが決定した。

 これまでタイガー・シャークのパートナーだったシャドーが戦線離脱したため、新パートナーを佐藤光留が務めることになったが、その佐藤も、折原が復帰を前に「シャークとはいきなり戦いたくない」とコメントしたことを知り、「折原選手はギラついた出刃包丁のような人だと思っていたんですが、なかなか物が切れないステンレス包丁みたいなコメントでした」とバッサリ。
 その後の会見で折原も、「2人の発言にまったく気持ちが動きませんでした」と反論しており、試合前から舌戦が展開された。

 「シャークに興味はない」と話す折原が、「スーパー・タイガーがレジェンド選手権王者になったら対戦したい」と発言したのも興味深い。
 「レジェンド王座を奪取し、初代タイガーマスクとの対戦に駒を進める」というのが折原の青写真だが、スーパー・タイガーも「師匠との対戦」は頭にあるはず。
 当然、そこに割って入ろうとするタイガー・シャークも、最終目標は師匠越えだ。
 これまでは「あくまでもリアルジャパンプロレスは初代タイガーマスクの団体」というのが不文律だったが、今後は世代闘争が勃発する可能性が高まってきている。
 もちろん折原、スーパー・タイガー、タイガー・シャークだけでなく、間下隼人や斎藤彰文といった若手も先輩たちを突き上げる位置にまで成長してきた。
 いきなり直接対決は実現しないだろうが、試合内容や観客の評価という部分での戦いはすでに始まっているのだ。この間接的な世代闘争が今大会の裏テーマと言えよう。
 そこに、泉田たち外敵やレジェンド勢が絡んでくるのだから、面白くならないはずがない。

 2011年下半期のリアルジャパンは大きな変化が期待できそう。
 タイガーマスクの遺伝子を持つ“虎たち”が今まさに“覚醒”しようとしている

【大会概要】
初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス
『SPACE FLYING TIGER DROP』(スペース・フライング・タイガー・ドロップ)
■日時 2011年7月21日(木)開場17:30 開始18:30
■会場 東京・後楽園ホール
■対戦カード
▼メインイベント 60分1本勝負
初代タイガーマスク(RJPW)、藤波辰爾(ドラディション)、長州力(リキプロ)
vs
本田多聞(フリー)、泉田純至(フリー)、菊地毅(フリー)
▼セミファイナル『レジェンド選手権試合』60分1本勝負
長井満也(第4代王者/ドラディション)
vs
スーパー・タイガー(挑戦者/RJPW)
▼第4試合『折原昌夫復帰戦』30分1本勝負
タイガー・シャーク(RJPW)、佐藤光留(パンクラスMISSION)
vs
折原昌夫(メビウス)、ヒロ斉藤(初参戦/ドラディション)
▼第3試合30分1本勝負
スーパー・ライダー(RJPW)、ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
vs
グラン浜田(フリー)、ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)
▼第2試合30分1本勝負
石川雄規(バトラーツ)、若翔洋(フリー)
vs
アレクサンダー大塚(AODC)、間下隼人(RJPW)
▼第1試合30分1本勝負
山本裕次郎(チーム太田章)
vs
斉藤彰文(RJPW)

■チケット料金 VIP席12,000円(特典付き)、RS席8,000円、A席6,000円、B席5,000円
※ご来場者全員に初代タイガーマスク30周年記念特製ポートレートをプレゼント
■チケット発売所 イープラス、後楽園ホール、チケット&トラベルT-1ほか

【お知らせ】
1.ご来場者全員プレゼントのお知らせ
7月21日(木)後楽園ホール大会へのご来場者全員に、「初代タイガーマスク30周年記念特製ポートレート」をプレゼント。

2.当日券販売
当日は、16時00分より、青いビル1Fの後楽園ホール当日券販売所にて、当日券を販売。

■掣圏真陰流オフィシャルサイトhttp://homepage2.nifty.com/seikendo/

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