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総合格闘技に“乱入”騒動 ボクシングトレーナー山田武士氏の罪と罰

 東日本ボクシング協会(大橋孝行会長)は、JBスポーツジムの山田武士トレーナーがプロ格闘技興行に関わり、K-1に出場した川尻達也選手の公開練習の際にスパーリングパートナーを務めたことや、その場でコメントを出したことを問題視。日本ボクシングコミッション(JBC)規則では、ライセンス所有者が特別な許可無く他のプロスポーツ興行に関わることは禁止されており、これまで再三注意してきたにも関わらず、山田トレーナー側が受け入れなかった。

 そこで、同協会は先月13日の理事会で山田トレーナーの処分を求める要望書をJBCに提出することを決定。さらにトレーナーを管理する立場にある森川常次オーナーの監督責任を問うための処分も同時に要望し、17日に書類を提出した。
 森川オーナーは「森川ジョージ」のペンネームで、人気漫画「はじめの一歩」の作者としても知られており。JBCに出頭し、事情聴取を行った。
 また、同協会としても今回の事態をあらためて調査すべく、10日に行われる理事会に両名を呼び調査することを決定した。
 今回の騒動についてあるボクシング関係者は指摘する。「プロ格闘家にボクシングを教えるのは問題ないのですが、そのリングに上がっちゃまずいですね。それに山田さんはボクシングだけじゃなく、格闘技全般を教えていたらしいじゃないですか」
 なんと、ここにきてボクシングのトレーナーが総合を教えていたという“疑惑”が持ち上がっているのだ。
 「日本と海外では事情が違います。タイでは、ムエタイの選手がボクシングの試合に出場することがあるが、日本はボクシングと格闘技は一線を画しています」

 確かに、日本には山田トレーナ以外にもプロ格闘家にボクシング技術を指導している人間はいる。トレーナーライセンスを所有する人間が、他のプロ選手に教えることは何ら問題はない。だが、日本で他のプロスポーツに従事、関与することになった場合は理由が必要となるようだ。
 今回の一件で注目を浴びることになったボクシングトレーナー問題。今後はその境界線をより明確にすることが問われそうだ。
 今後の処分については、10日の理事会がひとつの“査定材料”になる。大橋会長は理事会での聴取について「我々に処分の決定権は無い。(理事会に)に出席してもらって、2人から経緯などの事情を聞くだけ」と説明。
 また、JBCの安河内剛事務局長は「理事会の内容を含めて、JBCの倫理委員会に上申したいと思います」と明かした。同委員会は8月10日以降に開催される予定で、そこで最終的な処分が決定される。
 山田トレーナーは7月28日付けのブログで「ライセンス停止処分ではなく、3カ月間の自粛になりました。ボクシング界の規約を反した事になるのは、自分自身の行動によるところなんで、3カ月間の自粛は当たり前です」と猛省しているだけに、重い処分は免れることになりそうだ。

<プロフィール>
 山田武士トレーナー 日本でのプロボクシング経験はない。プロデビューはアメリカ、メキシコではなくボクシング後進国のインドネシアだったのも面白いキャリア。結果は1R30秒のKO勝ちだったが約半年間で8勝(8KO)1敗のレコードが残っている。
 日本に帰国して森川氏がオーナーのJBスポーツクラブのチーフトレーナーとなった。これまでにも同クラブが格闘家に練習場所を提供している関係で秋山成勲(UFC参戦)などとの接点もある。

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