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震災から1年 プラチナバンド獲得で「どこでもつながるソフトバンク」孫社長の本気

 29日、ソフトバンクモバイルが900MHz帯の電波を獲得。障害物をまわりこんで電波が通じやすいため、「プラチナバンド」とも呼ばれるものだ。それを受け、1日におこなった記者会見では、「立っているだけで笑みが…」と終始笑顔。これまでの思いとともに、今後は「どこでもつながるソフトバンクへ」というフレーズをかかげた。

 「あまりなじみのない言葉…」と自虐的なギャグを交えながら、孫社長は今後の計画を語る。まず孫社長は、2009年下期の調査の結果、ソフトバンクの解約理由の一位がダントツで「電波が悪い」だったことを認めた。ネットワーク満足でもドコモ:51%、au:51%、SoftBank:27%と他社の半分に過ぎないという結果。このためソフトバンクでは、基地局インフラの拡充をはかり、基地局の数は現在までに18万局と2009年の6.5万局に比べ3倍に拡充。その結果、総合接続率(1カ月に15万回電話をかけた際に接続された確率)は今ではドコモ:98.9%、au:98.8%なのに対し、SoftBank:98.2%というところまで向上した(2012年3月1日 現在)という。

 速度の面でも、MM総研の調査では他社に勝るとも劣らない値が出ているのに、「しかし、それでも繋がらない」(孫社長)。それは、基地局の数の力だけでは太刀打ちできない部分として、すでにプラチナバンドを所有しているドコモ、auに対しソフトバンクがプラチナバンドを持っていないという“不利な割り当て状況”は言い訳でなく事実だったと説明。このため、非効率な設備投資をせまられることになったという。

 孫社長は「これからは、いよいよ言い訳できない状況。平等な戦いになる」とますます気を引き締める。

 プラチナバンド獲得のメリットとして、
(1)カバーエリアがこれまでの2.1GHzと比較して3倍。
(2)障害物を回り込んで届きやすく、ビル影や屋内に強い。森林などでも電波が減衰することなく、遠くまで届く。
 ということがあげられるが、iPhoneユーザー以外にもメリットがあるという。それはiPhoneユーザーが一気に900MHz帯に移行するため、残った2.1GHz帯のユーザーは、その分つながりやすくなるというのだ。

 また、同氏は一気に事を進める背景には3月11日の東日本大震災があるとする。

 「3月11日のあの震災に、身体中が震えた。涙がとまらなくなった。我々が担っている通信はライフライン。もし、あの震災のときに、我々の電波がもう少し先まで届いたならば、亡くなられた命が救えたのではないか。これは我々の責任で、命をかけた責務。心の底から断腸の思いで自分たちの力の足りなさ、責任の重さを痛感した」(孫社長)

 900MHz帯を用いた「プラチナ電波」サービスは、7月25日から開始予定とのこと。もうすぐ震災から一年。ソフトバンクは、本気である。

■外部リンク
ソフトバンク プラチナバンド認可記者会見
http://webcast.softbankmobile.co.jp/ja/conference/20120301/index.html

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