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阪神が金本改革で“キャンプ地”見直し

 これも、金本改革の一環かもしれない。金本阪神が来春の一軍キャンプは沖縄県宜野座村のみとすることを“内定”させた。つまり、1965年から続いていた高知県安芸市には「行かない」と決めたのだ。
 星野仙一氏が指揮官に就いて2季目の2003年、阪神の春季キャンプ地を沖縄県に移して以来、安芸市との関係が危ぶまれていた。それまでは高知県だけではなく、四国全体がプロ野球春季キャンプのメッカとされていた。しかし、沖縄県のスポーツ施設建設が進み、「より温かいところへ」の発想から、各球団はキャンプ地を南下させていった。
 「阪神電鉄の社長、会長、そして、取締役相談役を歴任された久万俊二郎元オーナー(故人)が高知県高知市の出身で、その関係から阪神と高知県の信頼関係が築かれたとも言われています」(NPB関係者)
 1961年、阪神は高知市でキャンプを行った。その後、お隣の安芸市に移し、今日に至っている。

 スポーツ施設の見直しだが、まず球場の老朽化が挙げられる。改修工事を行えば良いというものではない。プロとして施設管理側に求める要望も高く、硬式球を使える広域雨天練習場やプロの打球にも対応できる広域グラウンドとし、高層ネットも取り付けてもらわなければならない。グラウンドの土質、整備技術、芝生なども相当なレベルが要求される。また、「雨天練習場の拡張」が球団側から求められても、公園法や建ぺい率などがネックとなり、その要望に応えられないケースもあるという。プロ野球チーム側は、ならば、これから野球場施設を建設しようとしているところを新たに見つけ、プロ野球のレベルに対応できるようにしてもらい、キャンプ地を移転させてしまったほうが良いと判断する。
 天候や気温などの問題ももちろんある。

 阪神も沖縄県に新キャンプ地を求めたが、これまでお世話になった高知県、安芸市に対する恩義もあったのだろう。「二次キャンプ地」として、2月後半に安芸市に移動し、オープン戦や二軍戦を行うなどしてその関係を続けてきた。今後、安芸市は二軍キャンプ地ということになるだろう。
 沖縄県宜野座村に集中すれば、県内でキャンプを行う他球団とのオープン戦、練習試合の日程も組みやすくなる。また、「二次キャンプ移動」のために喪失していた移動の2日間を、練習か完全休養日に充てられる。
 阪神の経営陣は金本知憲氏を新監督に迎え、非効率的だった内情も見直そうとしたのだろう。新監督誕生はそのきっかけとなったようだが、高知県側は「寂しい」と思っているはずだ。
 安芸市営球場はタイガースタウンとも呼ばれている。阪神に限った話ではないが、キャンプ地は“第二本拠地”とも言え地元への還元、恩返しという意味で、損得勘定抜きで公式戦1カードくらい行っても良いと思うのだが…。(スポーツライター・飯山満)

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