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次期衆院選に北京五輪戦士が多数出馬か

 北京五輪が幕を閉じて3日。昨26日には選手団の解団式が行われ、お祭りムードも急速に収まりつつある。そんな中、出場選手たちは次のステージを求めて早くも動き出している。五輪で勝ち取った知名度を生かしてキャスターやタレントになる元アスリートも多そうだが、本紙の調べで最大勢力を誇りそうな“再就職先”が、政治家。そう、年内にあるともいわれる衆院選に、北京五輪で活躍した選手たちが多数、出馬するというのだ。

 「すでに自民党幹部は、人材の最終選考に入っていて、中には獲得に動き始めているケースもあるようです」と語るのは永田町関係者。
 各政党が狙っているのは北京五輪で一躍、知名度を上げた選手たち。照準を合わせているのはもちろん、年内ともいわれる衆議院選挙だ。
 「年末年始が有力視されている解散・総選挙ですが、実はもっと早まる可能性もあるんです。サミットと北京五輪への出席が終わって、福田首相はもう事実上用なし。まさに死に体です」という。それだけに、幹部の動きは迅速、他党に“いいとこ取り”をされないうちにツバをつけてしまおうという作戦のよう。
 永田町関係者らの間で、イの一番に名前が挙がっているのがハンマー投の室伏広治(34)だ。「3大会連続のオリンピック出場や前回アテネ五輪金メダリストとしての実力もアピールポイントではあるんですが、新米政治家としてはやはり、容姿が重要なんです。ホリの深い顔立ちと恰幅のいい身体は、“政界発マダムキラー”として十分なスペックです」と評価するのは、自民党関係者。
 当の室伏自身は引退などサラサラ考えていないようで、「北京五輪で5位に甘んじたのは怪我のせい。本来の力を発揮すればメダルに絡んで当然だった。また、ハンマー投は選手生命の長いスポーツで、『アジアの鉄人』と呼ばれた室伏の父・重信氏は39歳で日本記録を更新しているほど。彼ならあと2大会は五輪を経験できるかもしれない」(スポーツ紙デスク)と、周囲の評価も高い。しかし、別の永田町関係者は「そこがいいんですよ。選手としてまだ通用するのに政治家になる。これが有権者受けするわけです。また講演活動等での演説もしっかりしていて議員向き」と太鼓判を押す。
 自民党は昨年の参院選時にサッカーのキング・カズこと三浦知良選手に出馬を打診し、断られた過去を持つ。現役選手の“引き抜き”に躊躇など一切ないだけに、接触の可能性は高そうだ。
 容姿で高評価といえばもうひとり、陸上・男子400メートルリレーで日本初のメダル奪取に成功した朝原宣治(36)もそう。予選落ちで当然と思われた男子トラック競技で、奇跡のメダルをもたらしたのは、チームの大黒柱・朝原の力によるところが大きいのは事実。
 「絶対にあきらめない精神力と、後輩走者を引っ張ったリーダーシップは全国の有権者にアピールした。またスーツが似合いそうなダンディーな顔立ちにソフトな語り口もいい」と二重丸を付けたのは自民党関係者。朝原は北京五輪を最後に引退を表明。その後は後進の育成に携わりたいとしているが、「義理堅い人間だと聞いているので、からめ手でいけばなんとかなるのではないか」と、虎視眈々の構えだ。
 女性選手ではマラソンの土佐礼子(32)がみこしに担がれそうな情勢。今回、肝心のレースでは故障のため途中棄権と、最悪の結果に終わったが、「政治家にアスリートとしての実績はそれほど必要ない。むしろレースを触媒にどれだけ人間味のあるドラマを有権者に訴えられたかが一番重要。そういう意味でいえば今回のレース、涙の夫婦愛を見せ付けた土佐は高ポイントとなったはず」と評価するのは、地方政界のフィクサーとして暗躍する会社経営者。
 また、多くの政党の争奪戦となりそうなのが金メダルを取った女子ソフトボールの大立役者、エース・上野由岐子(26)だ。「女性アスリートの中では一番の逸材」(政党関係者)、「政界にあの闘魂を注入してほしい」(自民党関係者)と引く手あまたの様子。上野選手にはプロ野球界からコーチ等のオファーがあるとの情報もあるが、「結局、女性がやっていける世界ではないし、ソフトボール人気が頂点に達している今、第2の人生のスタートを切るのが世渡り上手というもの」(スポーツ紙デスク)と厳しい意見もある。今後の上野の身の振り方には注目が集まりそうだ。女性選手ではほかに、レスリングの伊調千春(26)、馨(24)姉妹の名前も挙がった。
 政権政党である自民党といえば、根っからのスポーツ好き。日本体育協会会長、日本プロスポーツ協会会長、2016東京オリンピック招致委員会理事などを歴任する森喜朗元首相が謎のキングメーカーぶりを発揮しているのは周知の通り。それだけに勝負のかかった衆院選の目玉候補に、北京五輪選手を据える可能性は非常に高い。

○指導者も出馬か
 五輪で知名度を上げたのは選手だけではない。政党の触手は、コーチ・監督にも伸びようとしている。永田町関係者がとくに興味を示したのは以下の3人だ。
●水泳・北島康介の平井伯昌コーチ
 「北島だけでなく、背泳ぎの中村礼子にまで銅メダルを取らした実績はすごいし、メディアでの露出も多く、顔を売った。ヌボっとした見た目の裏にある明哲さがいい」(自民党関係者)
●野球・星野仙一監督
 「評価は急落かと思いきやそうでもない。潔い敗戦コメントに有権者のうっぷんはすでに晴れており、かつての『理想の上司』像は崩れていない。老若男女を問わず票が見込める逸材だ」(政党関係者)
●女子サッカー・佐々木則夫監督
 「ユーモアのある性格なんでしょ?試合中、一発ギャグなどでなでしこたちの緊張感を取り去り、躍進させた点は評価できる。癒やし系キャラは女性票獲得に有効ですから」(政党関係者)

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