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『家政婦のミタ』相武紗季が重要人物に急浮上

 日本テレビ系水曜ドラマ『家政婦のミタ』が、12月7日に第9話「最終章の始まり! 一筋の涙…炎の中で私を死なせて」を放送した。相武紗季という主演級の女優をキャスティングしながら、意味の乏しい役回りであった結城うららが重要人物に急浮上した。

 家政婦・三田灯(松嶋菜々子)の壮絶な過去が明らかになった前回。今回は人間的になった三田のストーリーが展開されると期待したが、前半は良い意味で裏切られた。三田は宣言した通りに阿須田家の家政婦を辞し、電話を着信拒否するほどの徹底ぶりであった。
 その三田の家政婦としての次の勤め先は隣の皆川家という斜め上の展開である。ここで三田は感情を表に出さない冷血家政婦に逆戻りする。三田が感情を出さないようになった理由が判明し、視聴者が身近に感じられるようになった直後に突き放すという味な演出である。

 内容が話題の『家政婦のミタ』であるが、ドラマ冒頭での前回のおさらいが少ないことも特徴である。連続ドラマの多くは冒頭で前回のダイジェストを放送する。視聴者に前回の内容を思い出してもらう配慮であるが、尺稼ぎにもなる。毎回欠かさずドラマを視聴し、次回放送を楽しみにしている視聴者を軽視した姿勢である。急遽15分拡大版となった今回は冒頭で三田の告白が繰り返されたが、家族それぞれが三田の告白を噛みしめる形になっている。映像使い回しによる安易な尺稼ぎをしないところにも作り手の良心が表れている。映像使い回しによる安易な尺稼ぎをしないところにも作り手の良心が表れている。
 大枠では三田が人間的な感情を少しずつ取り戻し、封じ込めてきた夫と息子を亡くした事実に向き合う展開になるが、結城うららが残されている。今回は下請け建設会社に再就職した阿須田恵一(長谷川博己)に「こんなところで働くなんて」と職業差別的な発言をする。ドジなトラブルメーカーであるだけでなく、精神的にも未成熟な部分を抱えている。一方で三田に牽制的な告白をしており、ドラマの恋のライバルにありがちな狡猾さも備えている。
 裏目に出てばかりではあるものの、他人に気を遣ってばかりの、うららが自分の思いを発言したことは大きな変化である。エゴに走るならば、うららを演じる相武が前々クールの同じ水曜ドラマ枠『リバウンド』で主演した大場信子のような逆ギレが見られるかもしれない。
 阿須田結(忽那汐里)は三田とうららが逆になった夢を見て「三田さんは、うららちゃんみたいな人だったのではないか」との感想を述べており、うららは三田にとってもキーパーソンになると予想される。三田がうららを治すのか、うららが三田を癒すのか、今後の展開に注目である。

 『家政婦のミタ』の好調はオリジナル脚本の良さを再確認させたが、漫画原作のドラマ『専業主婦探偵〜私はシャドウ』もドラマ・オリジナルの結末となりそうな展開で目が離せない。12月9日に放送した第8話「不意打ちキス! 私が主婦でなくなる日」では夫に一途であった浅葱芹菜(深田恭子)は夫を苦しめていたものが自分自身であったことを知り、ショックで家を出る。
 夫の浅葱武文(藤木直人)は会社に辞表を提出し、芹菜を探し回るなど仕事面でも家庭面でも筋の通った態度を示し、元の鞘に収まる展開を予見させる。しかし、これまでは浮気や妻への関心の低さという最低男であった。仕事面でも新山千早部長(石田ゆり子)や新山晃常務(遠藤憲一)、義父の藤元泰介(小日向文世)に利用されるばかりで精彩を欠く。このまま武文を善人で終わらせるならば、無理やり最終回にまとめたようになってしまう。
 武文役の藤木直人は来年1月8日放送開始のNHK大河ドラマ『平清盛』では文武に秀でた佐藤義清を演じるが、11月の流鏑馬ロケでは午前中は一度も的に当てることができなかったという。それでも午後は成功させて名誉挽回、複数回射抜いた主演の松山ケンイチに勝るとも劣らぬ活躍を見せたという。『専業主婦探偵』では中盤までの最低男を帳消しにする二枚目ぶりを示せるか期待したい。

(林田力)

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