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世界遺産 小笠原の自然と「モヤイ合う力」

 小笠原諸島(東京都)のユネスコ世界自然遺産登録が決定した。小笠原諸島は、都心から約1000キロ南に広がる。大陸と地続きになったことのない海洋島で、動植物が独自の進化を遂げている。

 小笠原諸島の歴史は定かではないが、古くから人が住んでいたと考えられている。

 日本は自然環境が厳しく、同時に、生まれ育った土地への愛着が強いといわれている。移住は、文化や習慣として根付いているというよりは、流行として取り上げられることが多く、また、『平家物語』には流刑も登場する。

 現在の「東京」があるのも、徳川家康が豊臣秀吉から「恩賞」として、関東へ国替えをさせられた結果であるのかもしれない。戦国時代、大名たちの行動原理の基準は、多くの場合、石高に象徴される領土の安堵と拡大に置かれていた。秀吉は、家康の力をそぐため、家康を先祖伝来の三河から切り離し、開発が遅れていた関東に追いやったというのが一般的な解釈となっている。関東に移った家康は、新田開発や用水路の整備、江戸の城下町の形成に着手した。

 小笠原諸島ではないが、伊豆諸島の新島に「モヤイ」という言葉がある。厳しい自然環境のなか、流人たちも加わり、島人たちが「共同して仕事に当る」ことを意味するそうだ。

 東京都大田区のJR蒲田駅前に、その「モヤイのこころ」「モヤイ合う力」を象徴する「モヤイ像」がある。これは、新島から友好のしるしとして贈られたもの。

 「モヤイ像」は各地にあり、JR渋谷駅前の「モヤイ像」は、2009年に「ルパン三世」に“盗まれた”ことでも知られている。ある朝、予告があったとおり、突然「モヤイ像」が消えており、「モヤイ像」があった場所には「ルパン」のサインが残されていた。これは、「モヤイ像」を新島に輸送して洗浄するにあたり演出された企画という。

 世界遺産登録が決定した小笠原諸島には美しい自然がある。小笠原諸島をはじめとする自然を守るには、そこで住み暮らす人々や関係者だけではなく、皆の「モヤイ合う力」が必要なのかもしれない。(竹内みちまろ)

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