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LiLICoオススメ「肉食シネマ」 人間模様が交錯する場所、団地 『アスファルト』

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提供:週刊実話

 お仕事お疲れ様です。毎日暑いですね。外回りや野外での仕事の方、本当に尊敬します。私は夏になると究極の面倒くさがり屋に変身し、スーパーに行っても、2階に上がることさえ億劫になる。そのせいで食生活が完全に傾き、そして余計にバテるという悪循環の日々。皆さんもこういう暑い日が続くときは、映画館かプロレス会場でぜひ涼んでくださいね。

 映画といえば最近、ちょっぴり不思議な雰囲気を醸し出す作品に出会いました。好みは分かれるでしょうけど、心に残る何かを確実にゲットできるはずです。
 『アスファルト』は『歌え!ジャニス★ジョプリンのように』で長編監督デビューしたサミュエル・ベンシェトリ監督の作品。出演はイザベル・ユペール、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のマイケル・ピットと、演技ではしっかりと魅了してくれる皆さん。
 冒頭、アパートの集会でエレベーターを直すかどうかを決めている。みんな“直してほしい”で同意すると思いきや、2階に住んでる男性は、階段を使ってるから関係ないと主張。こういうところはまるでコメディのよう。想像通り、この男性は怪我をし、車いすを使うハメに。最初はクスクス笑いで楽しませてくれます。

 そう、この作品の舞台は団地。最近、日本でも団地を舞台にした映画が数本ありましたが、舞台がフランスの郊外となれば、またちょっと違う(?)、でもどこか同じ空気も感じます。
 この団地に住む孤独な主人公が出会う人々とのやりとりを、そっとこっちが見守ってる感覚。怪我をしたさえない中年男性、夜勤務の看護師、母親が留守がちなティーンエイジャー、落ちぶれた女優、不時着したNASAの宇宙飛行士、服役中の息子を待つ移民の女性という、つながりのない人々。でも、生きていればいろんな奇跡があります。
 こちらは、ただ単に見ていたい、邪魔したくはなく、嘘をついてるって気がついても…と、そんな気にさせてくれる。でも、たまに背中を押して勇気を出して、と言いたいことも。自分だったらどんな行動をするのか、こんな出会いがあったら…と考えさせてもくれます。

 出会いはどんな時に来るかまったく分からないですよね。うまくいっても、いかなくても、その出来事は人生の1ページに刻まれ、そして自分の人生のストーリーの一部になります。改めて人生の楽しさとありがたさを考えました。

画像提供元:(C)2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions - Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory

■『アスファルト』
監督・脚本/サミュエル・ベンシェトリ 出演/イザベル・ユペール、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、マイケル・ピット、ジュール・ベンシェトリ、ギュスタヴ・ケルヴァン、タサディット・マンディ 配給/ミモザ・フィルムズ 9月3日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ(モーニングショー)、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開。■フランス郊外にある寂れた団地。そこに、車いす生活を送るサエない中年男と何やら訳がありそうな夜勤の看護師。母親が留守がちで留守番することが多い少年と、その隣に引っ越してきた落ちぶれた女優。不時着したNASAの宇宙飛行士と服役中の息子を持つアルジェリア系移民の女性。たまたま団地に集まった孤独を抱えた6人の男女に、予期せぬ出会いと奇跡が訪れる。

LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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