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大発生より怖い被災地のハエの内部被曝

 梅雨真っ最中のなか、被災地の瓦礫置き場などではハエや蚊、ネズミが大発生し深刻な問題となっているという。
 「去年は津波で流された水産加工物に大型のハエが大発生しました。腐敗物が強烈な悪臭を放ち、その上をハエがぶんぶん飛び回る。今年の場合は小型なのですが、去年以上に飛び回っているんです」

 気仙沼市では去年5月に、魚市場周辺の民有地の埋め立てをスタートし、約1万6000平方メートルのヘドロを除去、採石を敷き詰めたというが、「感染症が蔓延するか心配だった」と医療関係者が振り返る。
 しかし、怖いのは感染症だけではない。世田谷井上病院の井上毅一理事長が語る。
 「被災地の中でも原発に近い港町では、放射能が心配です。たとえば、放射能を帯びたハエが大発生し、それを鳥が補食する。ネズミだって、それをエサにする動物は内部被曝する。そうした食物連鎖が非常に危険なのです」

 チェルノブイリ原発事故の際は、ツバメの白血球の減少や脳の容積の縮小も確認され、論文にも発表されている。
 「野鳥は自然界の食物連鎖の頂点に位置します。鳥が自然界のものを使って巣を作り、昆虫などをエサとして捕食した結果、どのような生物濃縮が行われていくか調査していかなければいけません」(サイエンスライター)

 内部被曝した昆虫、小動物を捕食した鳥類や肉食獣も内部被曝し、様々な悪影響を受けるのだ。
 「次第に原発事故の問題が薄れる風潮にありますが、とんでもない。生物界への悪の連鎖はまだ始まったばかりです」(井上理事長)

 結局、最終的なツケは人間が負わなければならない。

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