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日頃のストレスが命取り 30代、40代に急増する「心臓病」の脅威(1)

 心臓は、胃と並んで精神的な影響を受けやすい臓器である。深い悩みや異常な興奮状態が不整脈を起こしたり、血圧を上昇させることもある。
 数多くのアニメのヒット作を手掛けた宮崎駿監督(72)も、一部報道では「散歩の途中に胸が痛くなる」ほど重症といわれ、第一線から降板した。最近はこうした狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患の男性患者は、働き盛りの40代や50代のサラリーマンに増えており、専門家から「働き方と密接な関係がある」と指摘する声が上がっている。

 昭和大学心臓血管外科担当医が言う。
 「厚労省が行った患者調査によると、狭心症と心筋梗塞を含めた虚血性心疾患者は60代、70代の人が多いのですが、最近は50代以下の40代、30代といった患者さんが増えており、まさに働き盛りの方が目立ちます。やはりサラリーマンの生活や働き方が密接に関係しているものと考えられます」

 では、どういう人が心臓の負担を高めているか。働き方や職場環境の側面から見てみよう。
 都内に住むIT関係の仕事をするKさん(42)が急性心筋梗塞で倒れたのは2年前のこと。クライアント先の決済システム作りがヤマ場を迎えていて、毎晩のようにタクシーで深夜帰宅し睡眠は4時間ほど。
 また毎日、半日以上パソコンと向き合っているため、首や肩もパンパン。いつも眼精疲労があり、それが悪化すると頭痛がする。だがKさんは「仕事をしていれば誰にでもあること。休日の寝だめで楽になったので気にしなかった」と言う。

 病気発症3日前、システムにトラブルが生じ、すぐ修正作業に取り掛かった。2日間、2時間ほどの睡眠で修復作業を続けた結果、何とかトラブルは解決。翌日、謝罪と説明を終えホッとして家に帰る途中、突然、胸が掻きむしられるような痛みに襲われた。
 冷や汗をかく、悪寒がする、さらに目まいも加わりフラフラ状態で帰宅。すぐさま救急搬送されて入院となった。病名は「心筋梗塞」だった。

 専門医によれば、心筋梗塞が起きると全身に送られる血液の量が急激に低下する。このとき、抹消血管は収縮し、生きるために最低限必要な血液を脳や心臓に優先的に送ろうとする。これは、非常事態に対し交感神経が興奮して生じる現象だという。
 冷や汗は、抹消神経だけでなく汗腺にも刺激が伝わるため、汗が皮膚に絞り出される現象だ。加えて悪寒がし、吐き気、目まい、ふらつきなどの症状がある場合はかなり危険な兆候とされてる。
 Kさんのような急性心筋梗塞のベースにあるのは、睡眠不足と炭水化物中心の偏食だが、これにトラブル処理が加わりストレスが急上昇、さらにクレーム処理が終わりホッと一息ついたが、実はこの間の血圧の乱高下があり、そのことがよくなかった。

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