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小塚桃子ゴルフ連載第一部・心のマネジメント(4) 「ルーティンから始める練習」他

 皆さん、こんにちは。早いもので9月も下旬。ゴルフは勿論、スポーツするには格好の季節となりました。お陰さまでこの連載も4回目。今週で第一部「心のマネジメント」が終了、来週から第二部に突入します。

 最終回となる「心のマネジメント」。今回は「ルーティンから始める練習」「自分を褒める」「先読みはしない」の3部構成となります。どれも結構、ゴルファーは軽視しがち。ここで再度、確認をして、実践に役立てて下さいね。

《ルーティンから始める練習》

 私は練習場に行く場合、まず、約5分ストレッチをします。続いて、クラブを持たずに鏡でフォームチェック。素振りを何回かしたら、そのフォームを動画撮影。この撮影はキャディーさんやその場にいた全然知らない人にでもお願いしちゃいます。

 前回と前々回と今日を見比べる。そうすると今日のフォームが、「オーバースイングになっている」「球筋が前回よりしっくりきていないなあ」などと確認出来ます。その日の課題をいくつか掲げて、練習に入ります。

 クラブと同じ長さのフニャフニャ棒があります。これを「クラブを持たずに素振り」をする際に使用。その棒でスイングを20回くらいするのですが、その時に(スイングが)手打ちの時は、ヒュンという空気を引き裂いた音がしません。棒はフィニッシュした時に体にまとわりつかないと、振った時に音がしません。私はヒュンという音が鳴るまで何度でも素振りをします。

 「腰の切れ味」「手打ちになっていないか」…などをチェック。それが完了後、今度はアイアンを2本持って素振りを開始。アイアンは重いので手打ちが出来なくなる。それを10回やってからドライバーで打ち始めます…これが私の「ルーティン」です。

 コースを回る日はこの練習はしません。やはりコースに出る前にこの練習は疲労を誘発してしまいます。「コースを回る前はスイングを確認するだけ…」これが私のスタイルです。コース前は体を慣らすために10〜20球打つ程度。それ以外では、アプローチを約10球…パターは時間が来るまでひたすら打ちます。

 コース脇に練習用のグリーンがあります。このグリーンには傾斜がしっかりあり、私はグリーン周りにボールを10個散らして置きます。全部入れていくのですが、「一個でも外したらもう一回最初から」…を毎回行っています。

 又、コース内にはグリーンの速さが違ったりします。それを意識する練習が、ボールを置く場所の工夫。ロングパット、4球ほど遠くに置いてロングパットの練習です。「ワンピンくらいで入れば、いいかなあ〜」というくらいに、時間が来るまでパット練習をしています。

 因みに傾斜のあるグリーン…パターの練習が出来るのはコース内にしかありません。コースに出た時は必要以上に練習します。

 室内練習場ではショット。室内だと球筋が見えないので自分のスイング練習に徹します。室内には必ず、モニターがあります。モニターで自分のスイングを確認しながら先生(インストラクター)が指導。球筋よりもスイングの確認がメインですね。

 この場合、全く球を気にせず、自分のスイングに没頭出来る。前述しましたが室内は球筋が分かりません。球筋を確認したい時は200〜300ヤードある打ちっ放し練習場に行きましょう。話しを室内練習に戻しますが、ここでも基本、打ちっ放し練習と同じ。打ちっ放し練習は前回、綴ったものを参考にして下さい。

 皆さんはよくドライバーの練習をしていますね。ただ、18ホールあって、4ホールはパー3。つまりドライバーは14ホール…14回しか使わない。ドライバーの練習はあまり効率のいい練習とはいえません。ドライバーはワンショット目…「魅せるドライバー」とよく言われます。野球で例えるとホームランに近いですね。より実践的に練習する場合、ホームラン練習はしませんよね。これと同じです。

 試合でよく使うのはアイアンとウッド。こちらの練習は必要不可欠ですね。アイアンとウッドは出番が多いので、(これが)安定していないとスコアには繋がらないと思います。ルーティンの練習は室内の場合は1時間半。打ちっ放しの時は3時間打つケースもあります。ただ、打ちっ放しに出向いても「今日は何か違う、おかしい」と感じた時は10分で帰る事もあります(笑)。

《大げさにいいショットが出たら自分をよしよしと褒めてあげる》

 練習場では“納得のいくショット”が打てたら、大げさなくらい「さすが!」と自分で自分を褒めましょう。コースに出ると、途中経過を気にしても仕方ありません。反省すべきところは、課題にしておき、次の練習で反映させる。これが大事です。そのためにも練習場では納得のいくショットが打てたら、素直に喜んでみましょう。

 因みにコース内でスイングにこだわり始めるとスイングどころか、スコアも崩れるもの。変に細かい箇所を気にし始めるとスランプに陥ります。

 先日、私がコースに出た時、こんな光景を目の当たりにしました。前のグループで打っていたおじさまがクラブを頭上に振り上げたものの一向に下ろさない…スイングしないのです。多分、頭の中でいろいろ考え過ぎたのでしょう。しかも遅いと周りに迷惑がかかる。おじさまは恐らく、そこまで気にして、考え込んでしまったと思います。私だったら、「オーバースイングに気をつける」「ヘッドアップはしない」という点だけ意識します。後は「運を天に任せる」ではありませんが、成り行きに任せます。「答えはボールに聞いて!」と。

《先読みはしない》

 「先読み」と「ポジティブ」は違います。先読みすると緊張が生まれます。ここでいう緊張は「悪い緊張」。よってポジティブとはいえません。「このホールをパーで上がって、次のホールをボギーで上がれば○○だな」という計算をしていると、ポジティブに聞こえます。ところが現実は「このホール、パーで上がらなきゃ」というプレッシャーが支配してしまう。先を考えずに目の前にあるボールだけに集中…とはいえ、誰しも気になる時は気になりますよね。

 私もその呪縛に陥るのですが、そのときは「とりあえず、100を切るのが一番の目標」と下方修正。それでも自分でスコアカードを書いていると、「まずい、ここでミスショットすると100切れないなあ」と思ってしまう事が多い。そういう場合は自分のスコアカードを友だちに記入してもらう様にしています。そうすることで、自分のスコアが分からなくなり、目の前のボールに集中できます。

 100を切り、次の目標が90切りだった時の事です。当時は「最終ホール、ボギーで上がれば89」という状態。そうなると「ボギーで上がらなきゃ、ボギーで上がらなきゃ」と先読みし、結果はトリプルボギーで91…という事が多かったですね。

 その呪縛から解放されたのは一緒に回ってくれたパーティがみんな60台後半のハイレベルだったときです。その人たちは「今日はこっち(パーティ)がスコアを数えてあげるから、(私は)自由に打ちな」と言われて、スコアが全く分からなかったのです。

 最終ホールになると私はスコアが気になり「いくつで上がれば90切り?」と聞きました。すると3人が3人とも「10くらい叩いてもOK!」という安心感を与える返事。「それなら、いつも通りに」とリラックスしてボギーでホールアウト。そうしたら何とスコアは87。実は「10打も叩いたら90切りは達成出来なかった」のです。3人のウソが結果として高スコアを生み出す要因になりました。

 ゴルフをする上で一番大事な事…それはプレッシャーを感じない気持ちの持ち方だと私は思います。私は結構、楽天的なのであまりプレッシャーは感じない方だと思います。実際、プレッシャーに押し潰されそうになった時は皆に「今から平常心になるからよろしく」と、公言する様に努めます。

 仮に、そのホールが酷い結果になったとしても、気持ちはスパっと切り替え! 引きずらない。これが大事です。

*カメラマン 須田卓馬

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