声のお仕事である『声優』。顔の見えない裏方のお仕事でありながら、近年はアイドルとの垣根がなくなって来ており、バラエティー番組や、歌番組などに出演することも珍しくなく、注目度が増している職業である。そんな人気声優をフィーチャーするこの連載。第46回目としてお届けするのは、山本百合子。

　TVアニメ『レディジョージィ』主人公・ジョージィ役、TVアニメ・86年劇場版・PS版ゲーム『北斗の拳』ヒロイン・ユリア役、TVアニメ『超獣機神ダンクーガ』結城沙羅役、『聖闘士星矢』鷲星座の魔鈴(初代)、TVアニメ『魔法使いサリー(1989年版)』主人公・夢野サリー役など、1980年代を中心に数々の代表作を残してきた山本。

　しかし、元々は声優志望というわけではなく、声優デビューより先にアイドル歌手として1976年6月にテイチクレコードから「いくじなし」で芸能界デビューを果たしている。歌手活動以外にも、『赤い絆』、『必殺仕事人』などのTVドラマへの単発での出演、NHK総合テレビ『ウルトラアイ』のアシスタントや、演劇実験室天井桟敷の『魔術音楽劇　バルトークの青ひげ公の城』で主役のユディット役を演じるなどの芸能活動をしていた。

　そして、1980年に転機が訪れる。映画『サイボーグ009 超銀河伝説』で挿入歌「この星の上で」・「愛はまぼろし」を歌うったことでアニメ業界との接点を持ち始め、翌1981年TVアニメ『ハロー!サンディベル』で主人公・サンディベル役で声優デビューを果たす。

　デビュー後も、1982年『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』ラ・ミーメ役、1984年『アニメ80日間世界一周』ロミー姫役、1985年『超獣機神ダンクーガ』結城沙羅役、『はーいステップジュン』野々宮ジュン役、1988年『闘将!!拉麺男』拉娘(ラーニャ)などたくさんの主要キャラクターを演じた。

　元歌手からの転向ということもあり、『レディジョージィ』、『魔法の少女シルキーリップ(メガCD版)』のOP・EDテーマも担当している。また、『クイズ年の差なんて』のナレーションを担当していたことも有名である。