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怖い話 「怪談本」の呪い

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画像はイメージです。

 2005年に、筆者はある版元さんから怪談に関するムック本を発売した。

 複数のライター、漫画家が参加していたが、筆者はメインライターとして怪談記事の記述を行った。

 だがこの本の周辺では次々と不思議なことが起こった。

 このムックの企画のひとつとして筆者と著名なホラー漫画家の先生との対談があったのだが、その当日、奇怪なことが起こった。どうも編集を担当しているNさんの顔色が悪い。

「なんかあったんじゃないの?顔色が変だよ」

と筆者がしつこく聞くと、自分の周りで妙なことが連続して起こっていると説明し始めた。

「正直、信じてなかったんですが、実はこんな事が…」

 なんと、数日前にNさんのご身内が朝、布団の中で変死しているのが見つかったのだ。

 そればかりか表紙を担当したデザイナーさんのご身内も当日緊急手術をすることになったというのだ。

「これはやばいな、信じてない場合、報復される可能性すらある」

 直感的にかなり危険な気配を察した筆者は、その漫画家の先生を見送った後、すぐその収録現場から霊能者に電話を入れ、祈祷の依頼をした。

「次は、編集のNさんに来ますね」

 霊能者のこの一言ですっかり震え上がったNさんは、この手の怪談本に対して全く信じてなかった自分を恥じ、深く考え入った。

 結局、Nさんへの霊の怒りは凄まじく、NさんとNさんの上司が会社を辞めることになった。Nさんは最後にこう言った。

「結局、偶然と言えば偶然ですが、怪談本が最後の仕事になりました。今後実話を取り扱う場合は要注意ですね」

 Nさんはその後、転職していった。

 しかし、その転職先は著者と長いつきあいのある出版社だったのだ。

 「怪談本」の呪いはNさんを追跡する。

監修:山口敏太郎事務所

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