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座間9遺体事件 捜査当局が重大関心を示す「闇組織と共犯者」

 「被害者の失踪時期と、白石容疑者の殺害時期に関する供述が大きく食い違っているなど、解明すべき点はまだまだ多い。他にも被害者や共犯者はいなかったのか。その不自然さから、疑問を抱く捜査員もいる」(捜査関係者)

 神奈川県座間市のアパートで、バラバラにされた9人の遺体が見つかり、10月31日にこのアパートに住む白石隆浩容疑者(27)が死体遺棄容疑で逮捕された事件には、いまだ多くの謎が残されている。
 「白石容疑者は逮捕後、スラスラと供述していた反面、その内容には矛盾点も多いという。例えば、犯行の動機は金銭目的としているが、その割には明らかに金を所持していなさそうな女子高生を3人も殺害している。加えて、会ってすぐに殺害したというが、白石容疑者の言う日取りと、殺害順に購入したというクーラーボックスやRVボックスの購入時期や、被害者の失踪時期が合わない。小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅の構内と、近くの片瀬海岸のトイレで被害者の携帯電話が発見されているものの、白石容疑者は『江ノ島へはここ数年行っていない』と供述しており、いったい誰が何のために被害者をこれらの場所へ導いたのか。アパートの近隣住民が目撃したという、白石容疑者を含めた3人の男がクーラーボックスのようなもの2個を部屋へ運び込んでいたという話も、未解明のままなのです」(全国紙社会部記者)

 犠牲になったのは、10代が4人、20代が5人。うち、20代の1人は男性だ。
 最初に犠牲となったのが、神奈川県厚木市の会社員・三浦瑞季さん(21)で、8月20日頃に失踪。片瀬海岸のトイレから携帯電話が発見されており、29日頃に失踪した西中匠吾さん(20)とは知人の関係にある。
 28日に片瀬江ノ島駅の防犯カメラに1人でいる姿が捉えられていたのは、群馬県の高校1年・石原紅葉さん(15)。江ノ島駅の女子トイレでは、石原さんの携帯電話が見つかっている。
 9月に入ってからは、15日頃に埼玉県に住む大学2年・更科日菜子さん(19)、24日頃には埼玉県春日部に住むマッサージ師の藤間仁美さん(26)、27日頃に福島県の高校3年・須田あかりさん(17)、30日頃に埼玉県の高校2年・久保夏海さん(17)が失踪している。
 「10月には、18日頃に神奈川県に住むアルバイト・丸山一美さん(25)が失踪し、23日頃、白石容疑者の逮捕のきかっけとなった田村愛子さん(23)が行方不明になっている。以上のように、被害者の失踪時期は8月3人、9月4人、10月2人。しかし、白石容疑者は、『8月に1人、9月に4人、10月に4人』、いずれも『会ったその日に殺した』と話しており、明らかに被害者の家族たちが証言する失踪時期と矛盾しているのです。そのため、被害者を一時かくまうか、指図や誘導した共犯者、ないしは手伝った者がいて、白石容疑者がかばっている疑いも持たれているのです」(同)

 さらに、ある捜査関係者は、白石容疑者の部屋の狭さについても疑問を呈している。
 「白石容疑者は備え付けの小型冷蔵庫の他に、中型の冷蔵庫を持ち込んで遺体を保管していたようだ。しかし、ユニットバスで解体したというが、普通に考えても、そこで1人で手早く解体し、処分していくことは不可能。手助けする人物がいたとすれば、内臓や筋肉、脂肪などを一時冷蔵庫で保管しておき、誰かに頼んで順に捨ててもらっていた可能性もある」

 では、その共犯者はどのような人物が想定できるのか。以前、ツイッターで自殺願望を投稿したところ“首吊り士”を名乗っていた白石容疑者と知り合い、一時期交際していた千葉県在住の20代女性Aさんの、こんな話がある。
 「彼は、『キャバ嬢が病んでしまい、“死にたい”といったから殺した。殺したのはオレじゃなく違う男がやったのだけれど、遺体を埋めたのはオレなんだよ』『ある男に死にたいから殺してくれと頼まれ、大金をもらって殺したこともある』と話していました。彼が逮捕された当日に会う約束をしていたのでゾッとします」

 確かに数年前、東京・新宿の歌舞伎町で風俗嬢のスカウトをしていた頃の白石容疑者については、その手の危うい話が聞こえてくる。
 「彼とつるんでいたグループは、振り込め詐欺やら死体処理、人身売買とか、とにかく悪いことをやっているという話を聞いたことがある。白石自身も、店とトラブルを平気で起こすようなスカウトで、すこぶる評判が悪かった」(歌舞伎町の飲食店関係者)

 そうした闇社会の人間が、今回の件にも何らかの形でかかわっていたのか。加えて見逃せないのが、ネットを介した人間関係だ。
 「SNS上には、宿泊場所探しの未成年少女や、援助交際の類、ドラッグ売買など、あらゆる需要と供給が一致する相手探しの投稿で溢れているが、一方で供給する側の人間は、それぞれの分野でつながっていることが多い。白石容疑者の場合は、自殺願望のある女性の幇助。本人の実際の目的は分からないものの、そのネットワークに関係する人物がかかわった可能性も拭えないのではないか」(別の捜査関係者)

 この捜査関係者によれば、ここへ来て供述内容が二転三転、揚げ句に11日に現場に同行した際には、供述拒否をしたという白石容疑者。その口から真相が語られる日は来るのか。

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