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名医・博士の健康術 ★今週のテーマ「脂肪肝を改善する飲み方・食べ方」

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提供:週刊実話

 ハイボール×から揚げは最高の組み合わせだった!脂肪肝は、酒と肉・魚・卵で予防・改善できる!

 現在、日本人の4人に1人が抱えているといわれる「脂肪肝」。肝臓に脂肪が付き、働きが低下する病気だ。

 肝臓は、約2000種以上の酵素を分泌し、「栄養の代謝」や「毒素の解毒」、「胆汁(消化液)の生成」といった重要な役割を担う人体最大の臓器で、働きが低下した場合の影響は大きい。

 健康な肝臓の脂肪は3%ほどだが、30%を超えると、「脂肪肝」と診断される。しかし、脂肪肝には痛みなどの自覚症状はない。さらに、肝臓=酒の飲みすぎというイメージから、「酒をやめるのは無理だ」と思い込むなど、脂肪肝を放置する人は驚くほど多い。

 そんな現状に警報を鳴らすのが、肝臓専門医で栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生だ。

「脂肪肝を侮るのは本当に危険です。脂肪肝は生活習慣病の入口となり、糖尿病や高血圧、脂質異常症、果ては、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。さらに放置すると、肝臓の細胞が炎症を起こし、「細胞の壊死」や「線維化(細胞が硬くなる)」が生じます。この頃になって、ようやく自覚症状が出てくるのですが、一度硬くなった肝臓を元通りに回復させるのは極めて困難です。症状が軽い脂肪肝のうちに対策をとらないと、「肝硬変」や「肝がん」へと進展してしまいます」

★適量なら酒は悪ではない

 長らく、「脂肪肝」といえば「酒の飲みすぎ」が原因と考えられてきた。しかし、その常識はもう古い。

「脂肪肝に対して、アルコールは一律に有害とはいえません。むしろ、適量のアルコールは脂肪肝の予防・治療に有効ということが分かっています。1日の適量とは、純アルコール量40グラムまで(次ページの右上図参照)。この量の飲酒は脂肪肝のリスクにならず、むしろ脂肪肝を招く確率が低下します。さらに、糖尿病を予防するという効果も報告されています」(栗原先生)

 適量のアルコールが、なぜ脂肪肝の予防や治療に有効なのだろうか。

「肝臓がアルコールを分解する時に、脂肪の元となる糖を消費するからです。アルコールを飲んだ結果、脂肪が減っているという、酒好きにとっては都合のよすぎる人体の仕組みですね。ただし、アルコールには脂肪の合成を促進する作用もあるため、飲みすぎは逆効果です」(栗原先生)

★禁酒ではなく糖質を減らす

 酒の飲みすぎよりもある意味危険なのは、つまみだ。

「脂肪肝の大きな原因となるのは、糖質の摂りすぎです。脂肪というと油の摂りすぎと思いがちですが、脂肪の元となるのは糖質です。アルコール性脂肪肝と診断された人でも、実際は、酒を飲みながら食べた食事で脂肪肝を進行させていることが多いのです。肝臓の負担を減らすためには飲酒時につまみは必要です。糖質が少ないものを食べるようにしましょう」(栗原先生)

 控えるべき対象の「糖質を含む食品」の代表は、ごはんやパン、麺類。次に、でんぷんを多く含むイモ類、吸収が早い果糖を含む果物。また、当然ながら甘い菓子、米や小麦が原料のしょっぱい菓子も控えるべき対象だ。

 その代わりに積極的に摂りたいのが、肉や魚、卵、豆類などのたんぱく質。筋肉の材料となり、脂肪を燃やしやすくするからだ。つまり、ハンバーグやステーキ、トロの刺身やマヨネーズも我慢する必要はない。

 ちなみに、おすすめの酒は、酎ハイやハイボールである。焼酎やウイスキーなどの「蒸留酒」は糖質ゼロだからだ。これからは、脂肪肝撃退のために“ハイボール&から揚げ”の黄金コンビを胸を張って楽しもう。

 脂肪肝を改善するためには、適量の酒と糖質を控えたつまみが有効だ。

 さらに、食べる順番にも注意すれば、より高い効果が期待できるという。

「糖質を最初に食べると血糖値が上がり、体内で脂肪を合成・蓄積しやすくなってしまいます。ですから、最初は肉や卵、魚などのたんぱく質、その合間に野菜やきのこなどの食物繊維を食べるようにしましょう。糖質を多く含むメニューは、最後に食べるようにします。そしてもう1つ、よく嚙んでゆっくり食べるようにしてください。早食いもまた、脂肪蓄積につながる悪習慣です」(栗原先生)

 居酒屋で気をつけたいのは、「とりあえずのポテサラ」だ。「すぐに出てくるから」「じゃがいもは野菜だから大丈夫」と頼む人も多いのではないだろうか。しかし、いも類に含まれているでんぷんは「糖質」である。空腹時にいきなり食べると血糖値が急上昇し、脂肪がたまりやすくなってしまうので注意しよう。

★最悪なのはシメのラーメン

 酔って気分がよくなると、もう1軒と、はしご酒をしてしまいがち。適量を超えたアルコールは、脂肪の合成を促す他、脂肪肝のためによいことはないという。

「2次会、3次会と飲み続けると、お腹が空くことも問題です。お酒を飲みながら食事を摂ると、糖質の吸収がよくなるうえ、アルコールで上昇した血糖値が急激に落ちるため、すぐにお腹が空いてシメのラーメンなどを食べたくなってしまうのです。これが肥満を増進させる最悪のシナリオです。特に、シメのラーメンだけは即中止してください。糖質の急激な摂取、血糖値の急上昇…といいことなど1つもありません。脂肪肝の予防・改善のためには、飲み会は1次会で切り上げましょう」(栗原先生)

◎酒別の適量(純アルコール40gの目安)
ビール 中びん2本(中ジョッキ2杯)
焼酎 チューハイ(7%)350ml缶2本
日本酒 2合
ワイン グラス3杯(約360ml)
ウイスキー ダブル2杯

◎酒別の糖質量
蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)0(ゼロ)
ビール(淡色・350缶1本)10.85g
日本酒(1合)8.8g
ワイン(グラス1杯・約120)赤1.8g 白2.4g
※「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」をもとに炭水化物の総量から食物繊維を引いて糖質量を算出。

◎おすすめの酒とつまみ
脂肪肝を改善するには、毎日2杯のハイボール(または酎ハイ)と、肉・卵のつまみがよい。

◎肝臓についた脂肪を減らす“食べる順番”
1たんぱく質(肉・卵・魚・大豆製品など)
 ▼
2食物繊維(野菜・きのこなど)
 ▼
3糖質(ごはん、焼きそば、お好み焼きなど)
ただし、はしご酒のあとのシメのラーメンだけは即刻中止を!
これをやめるだけで脂肪肝の改善はもちろん、ポッコリお腹もへこむ。

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監修/栗原 毅先生
栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。日本肝臓学会専門医。前慶應義塾大学特任教授、前東京女子医科大学教授。主な著書に『誰でもスグできる! 脂肪肝をぐんぐん解消する! 200%の基本ワザ』(日東書院本社)など多数。

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