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ダルビッシュのカブス退団は球団フロントの大失態? 経営難だけじゃないトレード放出のワケは

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 カブスからパドレスへ。オンラインでの移籍会見も済ませ、夫人が家族と過ごす様子をSNSで公開するなど、その様子から窺う限り、ダルビッシュ有投手に“トレード・ショック”はないようだ。

 「ダルビッシュを獲得し、サンディエゴ・パドレスは優勝候補に浮上しました。同じナ・リーグ西部地区のドジャースが昨季、8連覇を達成しました。エース格となるマイク・クレベンジャーが昨年11月にトミー・ジョン手術を受けたため、2021年シーズンは全休となります。その抜けた穴を埋めるためとは言え、18年のサイ・ヤング賞投手、ブレイク・スネルを補強し、さらにダルビッシュを獲得しました。オールスター級の豪華な先発陣が揃いました」(特派記者)

 ダルビッシュのパドレス行きには、シカゴ・カブスの経営危機が背景にあった。

 日本のファンは「経営が苦しいのは分かるが、なぜ放出したんだ?」と驚いていた。言うまでもなく、戦力ダウンしたカブスが“トレード敗者”だ。しかし、この敗因を調べてみると、「球団経営難の恐怖」を再認識させられた。

 「新型コロナウイルス禍により、メジャーリーグ各球団は試合減、無観客試合を余儀なくされました。どの球団も経営が非常に厳しい状況です。カブスは高額年俸選手も多いので…」(前出・同)

 ダルビッシュを手放した理由は経営難に尽きる。21年から残り3年5900万ドル(約61億2000万円)という彼の年俸を払い切れないと判断したのだろう。

 「実は、ダルビッシュの放出を決断する少し前、カブスは実質的なゼネラルマネージャーでもあった球団副社長も解任しています」(米国人ライター)

 そのひと足早く解任の憂き目に遭った編成トップとは、セオ・エプスタイン氏のこと。祖父は映画「カサブランカ」でアカデミー賞を受賞した脚本家であり、自身も編成トップを務めたレッドソックス、カブスの両方でワールドシリーズ制覇を成し遂げている。米球界で1、2を争うゼネラルマネージャーと言っていい。

 「エプスタイン氏の年俸は1000万ドル(約10億円)でした。優秀な彼を解任した理由も経営難です」(前出・同)

 ダルビッシュの放出トレードだが、カブスはダルビッシュのパーソナルキャッチャーとも称されるビクター・カラティーニ捕手も手放した。バリバリのトッププレーヤーである2人に対し、パドレスの交換要員は20年に7勝を挙げたBランク投手と4人のマイナー選手。トップ選手の交換トレードで、「これから伸びるだろうマイナーの若手選手」を放出するのは、メジャーリーグではよくある話。しかし、その4人のマイナー選手だが、

 「メジャーリーグ公式HP、専門メディアが若手有望株のランキングを作成しています。4人とも『トップ10』に入っていません。ランク外のフツーの選手です」(前出・同)

 とのこと。

 エプスタイン氏の後任となった新ゼネラルマネージャーは、20年最多勝投手であるダルビッシュを手放すというのに、有望な若手を1人も得ることができなかったのだ。完全な交渉負けである。

 「トップ10入りする有望な若手は、2、3年のうちに高額年俸選手に成長します。カブスはその時が来たら、また年俸が払えなくなるとし、あえて有望な若手を交換要員に求めなかったとの情報も聞かれました」(前出・特派記者)

 ダルビッシュには21年も好投し、おカネにまつわる暗い話を払拭してもらいたいものだ。(スポーツライター・飯山満)

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