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ドイツで“お試し”ベーシックインカム開始、現地の反応は? 毎月15万円の支給に応募が殺到

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 日本では、最近、全ての人に無条件で一定の金額を給付するベーシックインカムが注目され始めている。特に元総務大臣でパソナグループ会長の竹中平蔵氏が23日、『報道1930』(BS-TBS)に出演して、国民に毎月7万円を支給するベーシックインカムの導入を訴えたことも、ベーシックインカムが注目される大きなきっかけの一つとなっただろう。

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 そんな日本より一足先に、ドイツではベーシックインカムの導入に着手したようだ。ドイツでは8月中旬からベーシックインカムのトライアルが実験的に行われている。ドイツが実施する今回のトライアル版のベーシックインカムは、選ばれた120人のドイツ国民が3年間、毎月1200ユーロ(約15万円)を受け取れるというもの。120人の選定は、政府が希望者を募り、希望者の中から無作為に選ぶ。18歳以上でドイツに住み生活の大半がドイツである人であれば、誰でもトライアル版のベーシックインカムへの参加を希望することが可能。政府は2021年春から、選定された120人に対してベーシックインカムを支払い、支払われていない人と比較して、時間の使い方や価値観、健康維持面の違いなどがどれほどあるか調査するそうだ。
 「ドイツでもこのトライアル版のベーシックインカムは話題になっていました。参加したい人が多く、応募から4日でなんと約120万人の参加希望者が集まったそうです」(ドイツ在住日本人)

 移民が流入し始めた1990年代からベーシックインカムの導入を訴える声が少しずつ挙がっていたと、現地ドイツではメディアを通して分析する専門家が多いが、今回のトライアル版のベーシックインカムの導入に大きな影響を与えたのは、芸術家や音楽家などのフリーランサーだろう。ドイツには多くのフリーランサーがいるが、コロナ禍で多くのフリーランサーが仕事を失い、生活が苦しくなったことで、精神的に追い詰められて、自ら命を断つなど万一の事態が起こり得ると知り、ベーシックインカムの必要性を強く訴えた。ドイツ在住のフリーランスのファッションデザイナーが立ち上げたベーシックインカム導入を訴える運動には、47万人以上の署名が集まり、ベーシックインカム導入を後押ししたと言える。

 ベーシックインカム導入に前向きなのは、アーティストだけではない。『ドイツ経済研究所』が2019年4月に公表した調査結果によると、ドイツ国民2031人を対象に行ったアンケートでは、約半数の人がベーシックインカムの導入に賛成していたという。
 「周りのドイツ人に話を聞くと、確かにベーシックインカムに賛成する人が多いですね。移民を受け入れてから治安の悪さを心配している人も多く、『貧富の差が狭くなれば治安が良くなるから良い』と言う人もいれば、『もともと派手な生活はしないし、中心部に住まないから1200ユーロは十分な額。お金の不安がなくなることはいい』と言う人もいます。さらに、ベーシックインカムがいいかどうか分からないからこそ、『政府が実験的に行うのはいい試み』『論じるためには試してみることは大事』と支持する人も多いですよ。反対派の人の多くは『働く意欲がなくなり経済が回らなくなる』と心配しています」(前出・同)

 ドイツのトライアル版のベーシックインカムの実施結果によっては、日本でもベーシックインカム導入論が強まるかもしれない。

記事内の引用について
「Wer kann der Idee eines bedingungslosen Grundeinkommens am meisten etwas abgewinnen? Studie zeichnet Profil der Befürworterinnen und Befürworter」(ドイツ経済研究所)より
https://www.diw.de/de/diw_01.c.618785.de/wer_kann_der_idee_eines_bed...rinnen_und_befuerworter.html

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