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秋鮭“初水揚げ”も記録的な不漁…年末に向けイクラ高騰でタメ息

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提供:週刊実話

 秋鮭漁が昨年に続き不漁で、早くも年末年始に食される新巻鮭やイクラの高騰が予想されている。

「北海道のえりも沖で鮭の定置網漁が始まりましたが、8割がブリ。ブリの値段は鮭の半分ですから、仕事になりません。海水温が下がってブリがいなくなるまで、鮭は期待できない。輸入鮭を利用せず、日本で捕れた鮭を加工するイクラの値段が、これから高騰するのは避けられません」(漁業情報センター関係者)

 鮭は生まれた川に戻ってくる母川回帰の性質だが、最近は回帰不足で、採卵する鮭の数が年を追うごとに減少している。 「放流した稚魚が帰ってきた数は、1996年がピークで2447万匹(回帰率5.5%)。昨年は大型台風もあって76万匹(0.2%)しか戻って来なかったのです」(水産庁関係者) 最漁期を迎えた“本州一の鮭のまち”岩手県宮古市では、例年なら1日あたり1万数千本の水揚げを記録していた。しかし、昨年は12月に入っても1000〜8000本と低迷。一昨年は2億5000万円あったイクラの売り上げが800万円に届かず、漁業関係者を落胆させた。 「昨年の岩手の秋鮭漁は漁獲量1245トン。総漁獲量も、これまでの最低水準だった17年度の6229トンを下回って漁が終了したのです」(漁業市場関係者)

 鮭は日本だけでなくロシア、米国、アラスカなどで大量に獲れる。中にはノルウェーやチリから輸入される養殖物もあるが、北半球の太平洋側で獲れた鮭が大量に輸入されているため、不漁でもさほど値段は変わらない。 「しかし、日本で獲れた秋鮭は味が違う。その鮭から採って加工したイクラは最高の贅沢品です。ところが、台風や護岸工事などの影響に加え、海水温の高さのために鮭の回帰率が減少している。今年は昨年より13%ほど下回る不漁が予想されています」(前出の漁業情報センター関係者)

 秋鮭漁は11月ごろまで続くという。新巻鮭やイクラの高騰を避けるためにも、早くブリがいなくなる海水温に下がることを期待したい。

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