「多額の人件費コストを抱える大手企業は、コロナ禍を理由とした“公開リストラ”に踏み切っています。上場企業で早期退職を募集した企業は30社を超えており、秋口以降にリストラが加速しそうです」(経済エコノミスト)
コロナ前から経営状況が悪い会社は、退職金どころではない。
「通常であれば、早期退職する場合は割り増しで退職金をもらえますが、赤字企業の場合は資金がなく、退職金をもらえないケースが増えています」(弁護士)
ここ数年は人手不足を背景とした超売り手市場だったが、コロナ禍で就職難民も急増している。
「アルバイトや派遣社員の不当解雇、雇い止めも横行している。求人数が激減しているので、新卒、中途ともに狭き門です」(同)
新型コロナを機に在宅勤務が普及したが、リモートで部下をマネジメントできない管理職やITに疎い中高年、パフォーマンスの低い社員が、リストラのターゲットになっている。
「年功序列が通用しなくなり、リストラに脅える日々です。家のローンや子供の教育資金で頭を抱えていますよ」(食品商社社員)
一方、中小企業ではさらに状況が厳しい。工場に勤務する40代男性は、「無理やり退職届を書かされ、自己都合による退職を迫られました」と話す。
「これからリーマン・ショック以来の雇用危機に突入します。不況が長期化する見通しから失業率が4%を超え、賃金も下がるでしょう」(経済アナリスト)
コロナ禍という未曾有の事態は、日本経済に暗い影を落としている。