search
とじる
トップ > 社会 > 蝶野正洋の黒の履歴書 ★コロナ第二波への懸念と対策

蝶野正洋の黒の履歴書 ★コロナ第二波への懸念と対策

pic pic

提供:週刊実話

 新型コロナウイルスの感染者数が下げ止まらず、なかなか収束しないという状況になっている。

 特に東京では100人超えの感染者が出ている。ただ、都は「東京アラート」を再発令しないということになったし、自粛や休業の要請もない。都民の行動指針はなくなってしまった。

 事業をしている側にしてみたら休業する理由もないし、休業したところで何の補償もないから営業するしかない。子供たちも本格的に学校が始まってきている。コロナを怖がってたら何も進まないし、誰も守ってくれないから、自己責任で生活するしかないという意識になってると思う。

 俺自身も緊急事態宣言が解除されてからの「生活様式」は変わったと思う。外に出る機会が減ってるし、家族以外の人とは会食することもなくなった。実際に街に出ても、買い物をしてる人や飲んでる人も減ったままに見える。これだとなかなか景気は上向かないな。

 コロナ収束後の経済活動の回復のために政府が実施する「GoToキャンペーン」なんかも、いくら旗を振ったところで人々の動きは鈍いんじゃないかな。やっぱり旅行というか、長距離の移動は感染リスクが高いし、なにかあったときの影響が大きい。海外のEU諸国なんかでも、夏のバカンス商戦に向けて徐々に制限を解除する方向になってるけど、ヨーロッパも感染は完全に収まってないし、第二波への懸念もあるから思うようには進んでないようだ。

 だったら国内旅行でもと思うけど、各地の市町村などの自治体の多くは、この夏にやる予定だったイベントや行事をほとんど中止にしている。それでも「遊びにきてください」というのは難しいと思うし、それで「感染リスクは自己責任です」というのは無責任に感じるね。

 今年は多くの海水浴場が開設中止を発表しているけど、夏の海なんて行きたい奴は行くもんだよ。それで人が殺到したとしても、管理したり責任を取る組織がない。ライフセーバーや救護センターもやってないから、なにか事故が起きても迅速な対応ができない。これは確実に問題になってくると思うよ。

 行動を規制しないんだったら、人の流れを予測して対策を立てるしかない。行政には、そういった現実に即した指針を示してほしい。

 そのためにも、新型コロナの第一波に対して行った対策や方針が、正解だったのかどうかをしっかり検証してほしい。

 政府が設置していた「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」もいつのまにか解散していて、責任の所在が曖昧になっている。こうなってくると、なにか問題のあった対策法を検証するときに、専門家は「こういうデータや予測がありますと示しただけで、具体的な対策は政府が決めた」と言うだろうし、政府は「専門家がこうしろと言うからやった」と、お互いに責任をなすりつけ合うだけになるのは目に見えている。

 誰も経験したことのない未曾有の事態だったんだから、間違った対策を取ってしまうのは仕方ない。でも、せめて間違いは間違いで認めて、次の危機を防ぐために活かしてもらいたいね。

 俺が真面なことを言っても面白くねぇな…まぁいいか。

***************************************
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ