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東京五輪中止濃厚 すでに間に合わない新型コロナ「ワクチン製造」

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提供:週刊実話

 新型コロナウイルスの影響で2020東京五輪・パラリンピックは1年延期となったが、果たして来夏、同大会は無事開くことができるのか甚だ疑問だ。

「財政的に見ても、東京都はコロナ対策で巨額の出費を強いられ、五輪向けに新たな資金を投入することはできないでしょう。国民だって、無理して開催することはないと考えているんじゃないですか」

 こう語るのはノンフィクション作家の窪田順生氏である。

 終息まで長期戦を覚悟しなければならない新型コロナとの闘い。第一、終息に必要不可欠なワクチンはまだ先のことだ。

「ワクチンがなければ、オリンピックというビッグイベントの開催は考えられません。世界中で猛威を振るい続けるコロナウイルスは1200万人の感染者、そして、死者は55万人を突破し、まだまだ被害は拡大している。“風邪みたいなもの”と軽く見て、コロナ対策を重要視しなかったブラジルのボルソナロ大統領は、このほどコロナ感染したことを明らかにした。第1波でこの惨状ですから、多少の変異がありうる第2波が今秋に襲って来たらどうなるか予断を許さない」(医療関係者)

 有効なワクチンはいつできるのか。

「これまで史上最速で承認された風疹ワクチンは、4年の歳月を要しました。現段階ではバイオ技術の発展、認可過程の短縮化によって、うまくいけばワクチンは12〜18カ月で開発できるという予測もあるが、これはあくまで希望的観測です」(医療ジャーナリスト)

 ワクチン製造に至るまでには様々なハードルがある。

 医師で作家の外岡立人氏は「実用化には少なくとも2年以上かかると思いますね」と指摘する。

「アメリカを始め各国、ワクチン開発に懸命に取り組んでいるが、どこの国もワクチンがいつから使えるようになるかは絶対、言わない。ワクチンの効果を見るには、流行している地域でそれを接種して、副作用の有無も含めてチェックしなければならない。ワクチンが有効で、副作用も許容できるものなら、接種する患者を増やして、効果を確かめていく。安全であれば、国が認めて製造に入る。安全が確認されても、製造に入るのに半年くらいかかるのです」(外岡氏)

 ちなみに、中国はワクチン製造をカナダの工場で行う協定を結んでいるが、肝心のワクチンの安全性がいつ確認されるのかまったく不透明。参考までに、同じコロナウイルスで2003年に流行したSARS、2012年初めに確認されたMERSのワクチン開発は、いまだに成功していないのだから楽観視などできない。

 客観的に見ても、2021年7月23日開幕予定の東京五輪にワクチンが行き渡ることは時間的に無理筋と考えるのが自然だ。

「だいたい政府は専門家会議を突如解散し、御用学者や経済学者からなるコロナ対策分科会を作るなんて、どうかしています。コロナ関連の諸問題を長期的に考えていこうとする立ち位置が見えてこない。このままではコロナで呻吟するニューヨークのようになってしまいます。本当に脇が甘い感じがします」(外岡氏)

 自粛を解いて経済活動を活発化させた途端、感染者の数が6日連続100人を超え、9日には過去最多の224人となった東京。感染者の中心は20代、30代の若者だ。その点は2万人以上の死者を出しているニューヨーク州と酷似している。経済活動を再開したことにより、若者を中心に感染者が増え、重症化の確立が高い高齢者へ広がる…。まさに悪夢のような連鎖である。

「新型コロナは季節性がはっきりしない。当初は夏に減り、寒くなったら増えると言われていましたが、そうなっていない。夏に増えだしたものが、冬まで続くとしたら、いったいどうなっていくのか非常に気掛かりですね」(外岡氏)

 新型だけあって、コロナウイルスは謎だらけで予測がつかみにくいのである。

「一旦、感染しても免疫ができるのかどうかも分からない。インフルエンザのように数カ月から1年有効であれば、毎年ワクチンを接種し蔓延を防ぐことができる。トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、感染しない生活になじんでいけばいい。来夏の東京五輪開催ですが、“とんでもない”と言う人がいます。私もそう思いますね」(外岡氏)

 IOCは東京五輪を中止するか否か、10月中にも決断するとされる。アフリカ大陸における新型コロナ感染者数は、6月21日で30万人を超えたとWHO(世界保健機構)は発表した。アフリカでは2月にエジプトで初の感染者が確認され、98日後には域内全体で感染者数が10万人に達した。さらに、19日後には20万人を超えた。30万人を突破したのは、20万人に達してからわずか10日後だった。

「アフリカは先進国に比べ、遅れて拡大している。そうして見ると、来年夏のパンデミック終息というのはあり得ない」(外岡氏)

 ノンフィクション作家の織田淳太郎氏の話。

「かつて、IOC会長のクーベルタンが『オリンピックは勝つことではなく参加することにこそ意義がある』と語ったが、ロス五輪以降、商業主義が蔓延し、その弊害が出て、薬物疑惑、審判買収などが行われ、スポーツの祭典どころではない。この際、東京五輪は中止にして、スポーツの在り方を考え直すべきです」

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