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横浜DeNA セ球団が警戒する8K解析「サイン盗み」

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提供:週刊実話

 開幕3連勝を決めた巨人が警戒するのが、今季、期待値が高い横浜DeNA。球団戦略として次世代通信規格「5G」と高画質「8K放送」を取り入れ、スマホゲームで培ったIT野球の解析力が桁違いにバージョンアップ。他球団からはやっかみ半分、「禁じ手、サイン盗み」の声も出た。

 新型コロナウイルスの感染防止のため、約3カ月遅れの無観客で開幕したプロ野球は、各球団ともインターネットを使った視聴に力を入れている。巨人も開幕戦から7月12日まで、スマホアプリを通じて東京ドームの複数の観客席からの視点で観戦できるライブ配信「バーチャルビューチケット」を実施している。

 その巨人のバーチャル中継よりも先を行くのが、横浜DeNA。昨年8月にモバイル通信会社・KDDI(au)と締結した「スマートスタジアム」計画を実行に移し、バーチャル(仮想)空間上に360度視点やAR(拡張現実)を取り入れたもう一つの「横浜スタジアム」を構築。入場がOKになった後の球場内の観客サービスに提供しようと準備している。
「これにより、外野席からは捕手が、ネット裏席からは投手が、内野席からはベンチの動きが丸裸。あくまでファンサービスではあるが、8Kテレビなどを使ってこれを活用すれば、『相手チームの様々な動きは丸分かり』と警戒する関係者もいる。バックスクリーンの隙間から、望遠鏡で捕手のサインを盗むといった前時代的なスパイ行為とは次元が違う」(スポーツ紙デスク)

 もともと、8Kも第五世代移動通信システムの5Gも、2020年の東京オリンピックに合わせて国を挙げて推進してきたIT戦略だ。五輪は来年に延期になったが、スマホの導入は予定通り。この通信速度と緻密な映像を使えば、リアルタイムで精密な解析が可能になり、野球の戦術は根幹から変わるのだ。

 スマホのモバイルネットワークは1Gから始まり、現在は4Gが主流。5Gの通信速度は4Gの最大100倍。2時間の映画がたった3秒でダウンロードでき、送受信が容易になる。

 8K放送は、現在地上波やBS・CSで使用されている2K(フルハイビジョン)より16倍緻密な画質。5Gと組み合わせれば、“破壊力”は計り知れない。

「KDDIは焼失前の首里城(沖縄)を8K360度VR映像で再現させ、高い評価を得ている。これにゲーム開発で培ったDeNAの技術力を注入すれば、実際にベンチや観客席にいる以上に横浜スタジアムが楽しめる。プロテニスでは球速200キロ以上のサーブやショットのイン・アウトの判定に使われており、この高解析度技術を使えば投手のボールの握りや回転、微妙な変化ばかりでなく、ベンチや捕手のサインも捉えることができる。公開するかはともかく、これに相手球団や選手が疑心暗鬼になるのは間違いない」(同)

 疑念を増長させているのが、昨秋からこの春にかけてMLB(メジャーリーグ)を揺るがせている「サイン盗み」スキャンダルだ。これはアストロズが2017年に球団初のワールドシリーズを制覇した際、当時、所属していたM・ファイアーズ投手(現アスレチックス)が、この年と’18年の一時期、チームぐるみでサイン盗みをやっていたと告発。外野席に設置したカメラで相手捕手のサインを盗み、音で球種を伝えていたと証言したことに端を発する。

 調査に乗り出したMLBは「クロ」と判定。アストロズのJ・ルーノーGMとA・J・ヒンチ監督、当時のベンチコーチで’18年にレッドソックス監督に就任していきなりワールドシリーズを制したA・コーラ監督は解任。チームは2年間のドラフト1・2巡目の指名権を剥奪された。

「いま日本球界で最もIT戦略を推進しているのが横浜DeNA。従来のスコアラー陣に親会社のゲームアナリストが加わり、あらゆるデータを解析しています。これまでは球場のバックヤードで行っていた作業を、今は本社の精鋭部隊が遠隔で行い、現場にフィードバックできます。これも、れっきとした戦術。スコアラーがネット裏に陣取って偵察するチームは太刀打ち出来ませんよ」(球界事情通)

 今季の開幕4番を務めたのは、’16年にドラフト9位で入団した4年目の佐野恵太内野手。投手陣も今年のドラフト3位ルーキー伊勢大夢をはじめ、’16年に今永昇太、’17年に濱口遥大、’18年に東克樹、’19年に上茶谷大河と、5年連続でルーキーが開幕ローテーション入りした。’15年の山𥔎康晃は抑えとして1年目から活躍し、今季も絶対的な守護神に君臨している。

 これが何を意味するのか。データを活用した育成には定評があり、そこに5Gと8Kが加われば、さらに精度を増すということだ。メジャーへ転身した昨季までの主砲・筒香嘉智の穴はこれだけで十分に埋められる。

「もともとIT技術は、軍事的に研究開発して発展してきた歴史があり、それを進化させたのがビデオゲーム業界です。そのモバイルゲーム開発の最先端を行くDeNAとKDDIがそれぞれの強みを活かしてタッグを組むのですから、ライバル陣営が警戒するのは当然です」(同)

 阪神も巨人に先んじてNTTドコモと阪神甲子園球場におけるデジタル分野での提携に舵を切り、横浜DeNA方式を模索する。

 今年のプロ野球は、ソフトバンク、楽天を含めた携帯4社の“IT代理戦争”になりそうだ。

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