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釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 東京都羽田・多摩川河口産ハマグリ

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提供:週刊実話

 日中は汗ばむ陽気となり、近づく夏の気配が色濃くなってきました。春先にシーズンへと突入した「潮干狩り強化期間」も、最盛期と言えます。

 個人的に盛り上がっておりますが、恐らく担当編集はこの原稿を見ながら「また貝かよ…」と、ため息をついていることでしょう。気にしない、気にしない。

 さて、この時期は日中に大きく潮位が下がる潮回りとなり、普段はなかなか行けない沖合いまで海底が露出します。水温む時期に広範囲を掘り歩けるなんて、いいことずくめじゃないですか

 ということで、東京・羽田の多摩川河口へとやってまいりました。

 干潮まではまだ2時間ほどありましたが、すでに広い干潟が露出し始めており、ついつい気が急いてしまいます。逸る気持ちを抑えつつ準備を整え、干潟へと進みます。

 広大な干潟のはるか沖で早くも堀り始めているベテランとおぼしき人影が1人、他には誰もおらず貸し切り状態です。

 この日は友人家族も来ており、現地で合流して三々五々散っていきます。

 当然、目指すは沖のポイント…と思うのが普通ですが、「そこへ向かって歩いているこの足下にも、お宝が埋もれているんじゃないか?」などと思うと、いてもたってもいられず、沖に向かう道すがらも時々掘りながら歩みを進めます。

 例年であれば、この「途中で掘りながら作戦」でポロポロと貝が採れるのですが、今年は湧きが今ひとつなのか、なかなか心地よい感触が得られません。

 まぁ、「掘りたい欲」は解消されましたから、一気に沖合いまで歩くことにします。

 途中、泥地にジュポジュポと足をハメつつ、抜いては差しを繰り返して沖合いまでやってまいりました。干潟に点在する水溜まりには、今年生まれたばかりの小ハゼや小さなカニが溜まっており、慌てて逃げ回ったり穴へと逃げ込む姿が見られます。

 都市河川の河口でかくも豊かな自然を感じると、ここが大都会「東京」の玄関口に近いことを忘れてしまいます。斯様に自然を間近に観察できるのも、潮干狩りの魅力なんですな。

★硬いモノ発見!やさしくズポッ!

「この広大な干潟のどこかには、よい場所があるはず!」

 周囲に誰もいないのをいいことに、気合いを入れてあちこちを掘り始めます。んが、時折紛らわしい感触で出てくるのは貝殻ばかり…。次第に腰に痛みを感じ始めてきました。

 そんな折、かなり離れた場所で掘っている友人の子供から「あった〜!」の声が。目を細めて確認すると、うれしそうな顔で大きなハマグリを手にしています。ムムッ、やるなぁ。

 こちらも負けてはいられません。気合いを入れ直してひたすら掘り進めるうちに、「ガツンッ!」と、ようやく充実の手応えを感じました。すかさず手を突っ込んでまさぐってみます。

「あ〜ら、ふっくらして硬いモノが当たるわ〜」

 やさしく掴んでズポッ! と取り出したのは、大きなハマグリ。う〜ん、この瞬間がタマらん。

 ようやくの収穫に気をよくし、さらに気合いを入れて周辺を掘り進めます。というのも、これら貝類は狭い範囲にまとまっていることが多いものなんですな。

 一見すると、どこも同じように見える広大な干潟でも、微妙な底質の違いや、エサとなるプランクトンが流れ着きやすいなど、貝類にとって居心地のよし悪しというのがあるようです。

 時折、遠くから聞こえる子供たちの歓声を耳にしつつ、「負けられん!」とひたすらに掘り続け、ポツポツと小ぶりなハマグリをゲット。やがてヒタヒタと潮が上げ始めたところで、陸へと引き揚げました。

★子供に嗜められお裾分けで昇天!

 陸に戻って友人家族と合流すると、大きなハマグリをいくつか手にしています。

 子供たちはワタクシのビクの中身と見比べて一言。

「オジサン、小さいのは逃がさないとダメだよ。ボクが獲った大きいのを分けてあげるから!」

 何とできたお子様でしょう。ワタクシとは教育のされ方が違うのかしら…。

「そ、そうだよね」

 促されるままに小さい貝を逃がしつつ、子供たちから大きなハマグリを分けてもらったのでありました。

 さて、ハマグリは今が旬。ましてや江戸前の本ハマグリですから、旨くないワケがありません。1つずつアルミホイルで包んで焼き上げ、缶ビール片手にパンパンに詰まった身をパクリ。

 ウマイ!

 上品な甘さと海の香りが、口いっぱいに広がります。都市部の豊かな自然と子供達の優しさに感謝しつつ、本日も素晴らしき晩酌となったのでありました。

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三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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